第二章
[8]前話
「時間かかるんだ」
「そうだね」
「けれどね」
ここで坂本に笑って話した。
「それは引いたらで」
「引いたらで?」
「押したらね」
そうしたらというのだ。
「いいんだよ」
「引かばかな」
「こうしてね」
こう言ってだった、松本は。
くっついた親指と人差し指をこすり合わせる様に動かした、するとだった。
引くよりずっと楽に剥がれた、坂本にその光景を見せて話した。
「すぐに剥がれたね」
「そうだね」
坂本も見て頷いた。
「引くよりずっと速く」
「瞬間接着剤は引っ張ると強いんだ」
「?がれにくいんだね」
「そう、けれど」
それがというのだ。
「押すとね」
「弱いんだね」
「だから指と指がくっついたら」
先程の様にというのだ。
「引っ張るんじゃなくて」
「押すんだね」
「さっきみたいにこすり合わせるみたいにしたら」
指と指をというのだ。
「早く剥がれるんだ」
「そうなんだね」
「だから」
それでというのだ。
「大丈夫だよ」
「瞬間接着剤を使っても」
「そうなんだ、だから僕はこれからも使っていくよ」
「そうするだね」
「こうしてね」
坂本に笑顔で言った、そうしてだった。
松本はシャーマン戦車を完成させた、それから塗装を行った。坂本も完成させて塗装に入った。
松本はそれからも瞬間接着剤を使った、その際指だけでなくプラモにもだ。
「押す衝撃には弱いから」
「瞬間接着剤はだね」
「だからね」
坂本に部室で話した。
「そちらの衝撃にはね」
「気を付けるんだね」
「そうしていくよ」
「強いけれど押すのには弱い」
「それが瞬間接着剤なんだ」
こう言うのだった、そしてまた指と指がくっついたがすぐに剥がした。引くのではなくこすってそうした。
瞬間接着剤は押せ 完
2024・12・19
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