第一章
[2]次話
祖父ちゃんの餃子
小田常彦の祖父の月男は街の昔ながらの中華料理屋をしている、その店は昔から美味いと評判で特に餃子がそうだった。
それで常彦が家に来ても彼はよく餃子を作って食べさせたが。
長方形の顔に小さな目と唇を持ち白髪頭に一七〇位の背で痩せた彼はよく餃子を食べる自分を子供にした様な外見の彼に尋ねた。
「美味いか?」
「うん、美味いよ」
孫はその餃子を食べながら祖父に応えた。
「祖父ちゃんの餃子ってな」
「それは何よりだ、祖父ちゃんは餃子だったらな」
この料理ならというのだ。
「誰にも負けないぞ」
「ラーメンや炒飯はどうなんだよ」
「そういった料理にも自信があるけれどな」
それでもというのだ。
「一番はな」
「餃子なんだ」
「そうなんだよ」
こう言うのだった。
「祖父ちゃんはな」
「だから俺にもよく食わせてくれるんだな」
「そうだ、これからもな」
祖父はさらに言った。
「食わせてやるからな」
「それじゃあ」
孫は笑顔で応えた、そうしてだった。
常彦は子供の頃からよく祖父が作ってくれた店の料理特に餃子を食べた、それで高校を卒業する時に両親に言った。
「俺料理の専門学校に行くよ」
「料理人になるのか」
「そっちを目指すの」
「ああ、今祖父ちゃんの店跡継ぐ人もいないよな」
このことも言うのだった。
「それにずっと祖父ちゃんの料理食わせてもらって美味いしな」
「だからか」
「そのお料理をなの」
「孫の俺がさ」
まさにというのだ。
「継ごうって思ってな」
「そうか、しかしな」
「もうね」
両親は常彦の話を聞いて言った。
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