その14
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向が弛んでおるとも取れるよの」
いえ、そんな大層な指摘をした訳では無いのですが。
「えと、あの…」
「して?ここまで入り込んできたのは何故だ?三代目の養い子よ」
さり気なく身上を指摘されて、その上で静かに追求された私は、小さくなって誤りました。
「ごめんなさい。ぼんやりして歩いていたら、気がついたら入り込んでました。どうやって此処に来たのかも分かりません…」
申し訳なくて、小さくなってしまいます。
「ふむ…。成る程な。確かに、誰も気付かぬのは問題だな。弛んどる。弛み過ぎとる! どれ、一族の気の緩みに気付かせてくれた礼に、わしが門まで案内してやろう」
親切な申し出に、素直に受けるべきか断るべきか私が逡巡しているうちに、襖の奥から偉そうなおじさんが出て来てしまった。
思わず沈黙してしまう。
もしかして。
もしかしなくとも。
この人って、ヒアシさんとヒザシさんのお父さんなんじゃ?
白眼はもとより、漂う威厳と威圧感が半端無いです。
「儂に着いてきなさい」
「あ、は、はい。ありがとうございます」
先導してくれるおじさんに逆らわず、素直に着いていく。
「時に、日向をどう思う」
「へ!?」
突然、何の前触れもなく声をかけてきたおじさんの背中を、私は思わず見つめてしまった。
一体この人は何を言い出してるんだろう。
私、まだ4つです。
そんな問い掛けをされても困ります。
「え、えっと、日向は木の葉で最強なんだって聞きました」
とりあえず、どこかで聞いたような事を言ってみる。
「そうか」
その途端聞こえてきた微妙に嬉しそうな声に、ほんの少し意地悪な気持ちになってしまう。
「でも、最強って、何が最強なんですか?」
思わず私は問いかけていた。
「うん?」
怪訝そうなおじさんに、私は問いかけていく。
「力だけ強くても仕方ないし、心だけ強くても仕方ないと思います。両方持ってるから最強なんですか?でも、心の強さなんて誰にも測れませんし、臆病である事も、また一つの強さですよね?頑なである事も一つの強さだし、柔軟である事も強さですよね?日向の強さって何が最強なんですか?」
私の問いに、おじさんは歩みを止めて私を振り返った。
真剣なその眼差しに、私は少し失敗したと思う。
子供らしくない問い掛けだった。
真摯な表情のおじさんが私を見据えて口を開く。
「…日向の最強たる由縁はこの白眼の能力にある。故に日向は木の葉で最強である!」
でも、そんなおじさんの頑な言葉に、かちん、と来る。
記憶の中にある日向ネジの姿が反感となって言葉になった。
「最強である為に縛りがある最強は最強じゃないです。本当に最強なら、なんにも
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