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酔った姉の友達
第二章

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「二人でね」
「飲めばいいの」
「うん」  
 そうしたらいいというのだ。
「すぐに食べるから二人でゆっくりとね」
「飲んで食べたらいいの」
「先輩が帰られるうちにね」
「私のお部屋このマンションから歩いて行ける場所にあるから」
 薫は奈保子に答えた。
「飲み終わったらね」
「帰られるのね」
「ええ、この辺り治安もいいしね」
「それじゃあね」
「ええ、今度は奈保子ちゃん達のお家でね」
「飲んで食べよう」 
 奈保子は笑顔で言った、そうしてだった。
 キッチンで八宝菜を丼に入れたご飯にかけて中華丼にしてかき込んで手早く済ます勇雄をよそにだ。
 八宝菜と家にあったので出した柿ピーを肴に飲んだ、今度はビールを飲んだ。
 そしてどちらも食べ終えると薫は帰ったが。
 勇雄はかなり酔っている姉に言った。
「世の中狭いね」
「まさか私のお友達が勇雄ちゃんの会社の先輩だなんてね」
「全くだよ、けれど別に何もなかったし」
「悪いことはね」
「よかったよ」
 こう姉に言った。
「本当にね、まあ明日先輩とは会社で挨拶して」
「それで終わりね」
「うちで飲んでもね、僕とは直接関係ないし」
「いいのね」
「うん、それで僕これからお風呂に入るけれど」
「私はお水飲んでからシャワーにするわ」
「僕が入った後でいいんだね」
 姉に確認を取った。
「シャワーは」
「今はお水飲んで酔い醒ましをして」
 そうしてというのだ。
「それからね。酔って湯舟は危ないし」
「シャワーにして」
「身体と髪の毛洗って歯も磨いてから寝るわ」
「それじゃあね、先入るね」
「どうぞ」
 姉はまだスーツ姿だった、その姿のまま弟に応えてだった。
 弟が風呂から出るとシャワーを浴びた、それから歯を磨いて寝たが。
 翌朝勇雄は出勤して薫と会ったが最初は昨夜のこともあり幾分気まずかった、だが別にトラブルは起こらずお互い部屋で何も関わらなかったので気まずさはすぐに消えて。 
 後は普通に働いた、そして仕事が終わった時に薫は彼に言った。
「またお部屋で奈保子ちゃんと飲んでいい?私のお部屋に奈保子ちゃんを呼んでも」
「どっちもいいですよ、姉を宜しくです」
 勇雄は笑顔で応えた、そうしてだった。
 この話は終わった、すると薫は時々二人の部屋に来る様になった。そうして奈保子と仲よく飲んだのだった。

酔った姉の友達   完


                    2024・12・18
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