第二章
[8]前話
「昔は私も仕事人間でね」
「会社よりも仕事でしたか」
「若い頃は。けれど結婚前に身体を壊して」
そうしてというのだ。
「かえって仕事に穴を開けてその時の上司に働き過ぎだとね」
「かえってよくないですか」
「そう言われたんだ」
そうだったというのだ。
「それでだよ」
「それからはですね」
「出来るだけ残業とかをしない様にして結婚してからは」
「家庭を大事にされていますか」
「特にこの子達をね」
何匹もいる猫達を見つつ話した。
「そうしているよ」
「そうですか」
「家に帰ると猫達がいて」
「一緒にいたら」
「それだけで幸せになれるから」
だからだというのだ。
「定時出勤と退社にして」
「休日出勤はなし」
「そうしてきたしその方が仕事もね」
こちらもというのだ。
「よく休めて幸せにも慣れて英気を養えているから」
「能率が上がりますか」
「そうなってね」
それでというのだ。
「いいしね、社員の皆にもね」
「そうしようって決めたんですね」
「そうだよ、仕事はね」
これはというと。
「まずはプライベートが充実して」
「そこからですね」
「そうだよ、本当に働き詰めだと」
それならというのだ。
「倒れるしね」
「かえってよくないですね」
「そうだよ、家庭を大事にしてそこで幸せであった方が」
その方がというのだ。
「いいからこれからもね」
「会社の方針はですね」
「そうしていくよ」
二人の周りでそれぞれ歩いたり座ったり丸くなったりしている猫達をマリネを食べつつ話した、そしてだった。
大久保に今度は猫達の話をした、大久保はワインを飲みながら笑顔でその話を聞いた。そして彼も猫を飼いその癒しを得てさらに充実した家庭の時間を過ごせたのだった。
新社長は家庭人 完
2024・12・18
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