第二章
[8]前話
「貼り紙で警察とか犯罪とか書いていたら」
「それならですね」
「もうね」
それこそというのだ。
「皆観られて本当に通報されて」
「犯罪になるなら」
「前科つくならだよ」
「最初からしないですか」
「ばれないからやるし」
それにというのだ。
「犯罪だとわかっているなら」
「しないですね」
「大抵の人はそうだからね」
「それでカメラと貼り紙だけで」
「殆どね」
こう言っていいまでにというのだ。
「減るんだよ」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
「万引きのことはね」
「安心していいですか」
「そうだよ」
「カメラと貼り紙だけで効果あるんですね」
岡林にしみじみと言った。
「いいですね」
「そう、けれどね」
ここで岡林は池田に曇った顔になって話した。
「万引きはそれでかなり減っても」
「ああ、クレーマーはですね」
「カスハラもね」
「このお店にも来ますね」
「そうしたお客さんはいるから」
「カメラ置いてもですね」
「そっちの貼り紙もしているけれどね」
それでもというのだ。
「こうした人はね」
「いてですね」
「むしろ万引き以上に問題だから」
そうであるからだというのだ。
「気を付けてね」
「はい、もうそうした人に会っていますし」
池田は三日前のあれやこれやと偉そうに言ってきたまさにクレーマーと呼ぶしかない客のことを思い出しつつ応えた。
「気を付けます」
「そうしてね」
「クレーマーは犯罪じゃないですし」
「カスハラは万引きよりずっと犯罪と認識されていないからね」
そうしたものだからだというのだ。
「言って来る人万引きより多くて悪質だから」
「気を付けていきます」
「くれぐれもね」
こう池田に言い池田も頷いた、そうしてだった。
高校にいる間そして大学に入ってからもこのスーパーでアルバイトを続けた、その間万引きは殆どなかったが。
クレーマーやカスハラの方が多かった、それでそちらへの対応に秀でる様になり社会人になってからも役立てたのだった。
万引き防止策 完
2024・12・18
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