第三章
[8]前話
「作家さんは外見じゃないからな」
「地味でないといいですね」
「それでお客さんでもな」
そうであってもというのだ。
「別にな」
「何も悪くないですね」
「ああ」
実際にというのだ。
「本当にな」
「何一つとして」
「そうだしな」
「問題を起こさなかったら」
「誰だってな」
それこそというのだ。
「問題ないだろ」
「地味でも作家さんでも」
「お客さんでな」
「誰にも迷惑かけないのな」
「来店されたことがわかれば」
それならというのだ。
「それでな」
「いいですか」
「ああ、じゃあこれからもな」
欠端は友希に笑って話した。
「あのお客さんが来たらな」
「お迎えして」
「チャイムが鳴ったらな」
「いつもの席にご案内して」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「注文してくれたメニュー出そうな」
「ラーメンですね」
「いつものな」
「それをお出しして」
「食べてもらうな」
「わかりました」
笑顔で頷いてだった。
友希はその様にした、その客が作家であることはもう言わなかった。そうして客のプライベートも守って彼の来店と注文を受け続けたのだった。
地味なお客の正体 完
2024・12・17
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