第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその六
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「資源だけの国は結局はです」
「そこまで、ですか」
「発展もしません」
「ただ豊かなだけですね」
「国民も堕落します」
資源での収入に頼ってというのだ。
「かつてのナウルの様に」
「連合の中の一国ですね」
「あの国は。二十一世紀までの話ですが」
「資源があり」
「はい、その資源に頼り」
その利益だけでというのだ。
「国家を運営していて」
「多くの富を得ていましたね」
「国民は働かずともです」
雇った他国の者に採掘を任せてだ。
「それでも莫大な富によってです」
「利益を得ていて」
「そしてです」
「豊かな生活で」
「それが過ぎて国民の多くが糖尿病にもなった」
「そうした国になっていましたね」
「遊んでも暮らせていました」
アランソはこうも言った。
「豊かなので福利厚生や教育も万全で」
「それで何もせずとも暮らせたので」
「その結果です」
その何もしないで得られる豊かさ故にというのだ。
「堕落しました」
「何もしないで暮らせるなら」
「それも豊かに」
「そうした生活ならば」
「誰もが堕落しますね」
「はい、堕落してです」
貴族も答えた。
「何もしようとしなくなり」
「考えもしなくなりますね」
「考えてもです」
例えそうしてもというのだ。
「どうしたら楽に出来るか」
「そればかり考えてです」
「動きませんね」
「はい」
まさにとだ、貴族はアランソに答えた。
「そうなります」
「だからです」
「かつてはナウル国民は堕落して」
「そこに資源がなくなったので」
豊かさの柱であるそれがというのだ。
「後はです」
「言うまでもないですね」
「はい、堕落したまま迷走し」
そうなってというのだ、マネーロンダリング等にも関わったりもして国際的な批判を受けたりもしてきた。
「そしてようやくです」
「働こうとなって」
「今も連合にいます」
「左様ですね」
「働いてこそです」
その様にしてというのだ。
「人は真の豊かさを得られるので」
「連合もですね」
「そうです、日々働いているので」
それでというのだ。
「あの様にです」
「豊かなのですね」
「そして発展し続けています」
「そうした国ですか」
「働けば働くだけ豊かになる」
アランソは強い声で言った。
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