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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#12
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《ライトニング・》(ウェイブ)】」」」

 三人の足元に一つの魔術式が展開する。それぞれの足元から魔力が魔術式に流れ込み、魔術式が光を帯びていく。

 多少の速度の差はあったが───ルガレド、リゼラ、ジグの足元から広がった魔力が波紋のように広がっていき、魔術式の隅々まで魔力が満遍なく行き渡った瞬間、眩い光を迸らせて、魔術が起ち上がった。

 途端に、精霊や魔物の魂魄が強い風となって、ルガレドを目掛けるように吹き込んで来る。魔術式が精霊と魔物の魂魄の風を取り込み、一層眩い光を放つ。精霊と魔物の魂魄の風は留まることなく、引き寄せられては魔術式に呑まれていく。

 こういった大規模魔術の魔術式は、単純な魔術式を組み合わせることで成り立っているらしく───精霊と魔物の魂魄を呑み込んだ個所にそれぞれ組み込まれている魔術式が、勝手に作動し始めて───以前、試しに発動させてみたときよりもかなり早く、ルガレドの手に負えない状態となった。

 リゼラが徐に片膝をつき、魔術式に手を触れた。

 すると────リゼラの掌が淡く光を帯び、その光が魔術式に伝って徐々に広がっていくにつれ、幾つもの魔素溜まりとなっていた精霊や魔物の魂魄が魔術式全体へと押し流され、すべての魔術式が作動することで、暴走が止まった。

「リゼ───今、何を?」
「これは、先程あの黒いオーガが行使した───新たに会得した【誘導】という魔法です」

 リゼラはルガレドの問いに答えながら、立ち上がる。

「レド様───これは一時的な処置です。おそらく、またすぐに部分的な魔素過多による魔術式の暴走が始まります」

 リゼラの言葉に、ルガレドは意識を切り替える。

 そうだ────精霊や魔物の魂魄は、未だに途切れることなく押し寄せ続けている。今のうちに対策をしなければ、また魔術式の制御を失う破目になる。

 ノルンのサポートを受けられたのなら、魔術式の制御を手伝ってもらうところだが、それは無理だ。

 だったら、ジグの言う通り────魔術式を暴走させないように、精霊や魔物の魂魄を従わせるだけでなく完全に制御するしかない。

(だが、どうすべきか…)

 ルガレドが精霊や亜精霊を従わせると言われても、正直、自覚がない。

 一度だけ、精霊だという聖結晶(アダマンタイト)を制御というか───抑えることはできたが、あのときは無我夢中だったため、どうやったのかは自分でも定かではなかった。

 完全に制御するにはどうすればいいのか────何も思い浮かばない。こうして考えあぐねている時間が惜しく、リゼラとジグに意見を求めようと、ルガレドは顔を上げた。

「!」

 吹き込む精霊や魔物の魂魄から成る風の合間に、はっきりと漆黒の毛色をした魔獣の姿が見え
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