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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#12
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び込む。
私が創り出した直径5mほどの魔力の盾に、まるで“火の玉”のような
礫
(
つぶて
)
が降り注ぐ。
【
防
(
プロテク
)
衛
(
ション
)
】を発動し続け、耐えていると────しばらくして、魔力の盾を叩き続ける無数のそれが
疎
(
まば
)
らになり、やがて途絶えた。
「リゼ、助かった」
「いえ───皆、無事ですか?」
ラムルとヴァルトさんは初動が遅れて、幾つか礫が身体に当たっていたはずだ。
ラムルもヴァルトさんも、ラムルの頬にできた一筋の切り傷以外に目立つ外傷はないものの、装備のおかげで外傷にはならなかっただけで、腕と足に数ヵ所強打されたところがあるみたいだ。
ケガをした二人には申し訳ないけど、今は抜けられては困る。幸い、切り傷と打撲だけのようなので、ポーションを飲んでもらった。
レド様、レナス、ジグにはケガがないことと、ラムルとヴァルトさんが動けるようになったことを確認してから、魔獣の方に目を向けると───相変わらず豪風が取り巻いていて、その中心にいるはずの黒い魔獣の様子は目視することはできない。
レド様は【千里眼】を駆使しているようで、険しい表情でそちらを視ている。
「魔獣はじっとしているが────魔力が蠢いている。また同じ攻撃をしてくるつもりかもしれないな」
あれは、おそらく干渉魔法【接続】によって、なされたものだろう。
わざわざ距離を取って、近づけさせないようにしてから行使したことを鑑みると、【
転
(
テレポー
)
移
(
テーション
)
】と同じく集中しないと発動できないか───もしくは、発動させるのに時間がかかるのかもしれない。
もし、そうなら────レド様の発案通り、あの豪風を取り払ってしまえば、先程の攻撃はできなくなる。
「レド様、攻性魔術の起ち上げを手伝います」
「ああ、頼む」
とにかく、一刻も早く、魔獣が利用している精霊や魔物の魂魄を何とかしなければ─────
※※※
壁となって魔物の進攻を押さえている、最前列に並ぶパーティーの隙を掻い潜って、こちら側へ入り込んできたオークを、すぐ後ろに陣取っているCランクパーティーが迎え撃つ。
護りに入ってから、結構、経つが────攻撃に転じる合図はまだない。
先程から、変異種の雄叫びらしきものが何度も響き渡っていることに、ガレスは懸念を抱いていた。
(アレドたちに何かあったわけじゃないよな…?)
今のところ、最前列を担うBランクパーティーのメンバーに動けなくなるほどのケガを負った者はなく────矢やナイフなどの補充で束の間の交代はあったものの、幸いなことに実力不足の低ランクパーティーを駆り出す破目にはなっていない。
(だが、それもいつまでもつか…)
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