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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#11
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く吹き飛ばされたレド様とレナスが着地する。

「リゼ、レナス、無事か?」
「はい。レド様こそ」

 ご無事ですか────そう続けようとして、私は言葉を呑み込む。

 私たちは一斉に地を蹴って、その場から離れた。直後、一瞬前まで私たちが立っていた場所を、歪な漆黒の剣が横切る。

 距離を取ったにも関わらず、ゴウッ、と空を切る音が耳元まで届いた。

 私たちを追いがてら、手放した大剣を拾ったのだろう。大剣の分だけ狭まっていた魔獣の攻撃範囲が元に戻ってしまった。

 私は、また解除されてしまった【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動させて、左手に携えたままの【誓約の剣】を【聖剣ver.9】へと替える。

 あの黒い魔獣が率先して狙うのは、おそらく────

「ノルン、【聖剣ver.9】を起動させて!」

───了解!【聖剣ver.9】にアクセス開始、……起動成功!───

「【聖剣ver.9】に【連結(リンケージ)】!」

───了解!【聖剣ver.9】に【連結(リンケージ)】開始!───

 黒い魔獣は、私に向かって踏み出すと、その大きな歩幅で以て一瞬で間合いを詰める。

「リゼッ!」

 何度目かのレド様が私を呼ぶ声が聞こえた。

───【聖剣ver.9】に【連結(リンケージ)】完了!───

 歪な黒い大剣が振り下ろされる。私は【聖剣】を薙刀に変えて振り上げ、魔獣の大剣を迎え撃った。渾身の力を籠めて、その禍々しい刃を断ち切る。

 薙刀を振り切った私は、【聖剣】を抜身の大太刀へと変えながら、魔獣に向かって駆け出す。

 魔獣は大剣を斬らせて刀を振り切った私を襲うつもりだったようだが───それは【誓約の剣】で接触距離を想定していたらしく、魔獣に僅かな隙ができる。

 私は振り切った状態の腕を返して、先程とは逆向きに大太刀を振るう。

 魔獣は私の動きを止めようと、短くなった黒い剣を振り下ろしたが、レド様が下から振り上げた大剣によって阻まれた。

 魔獣は素早く剣を手放し、腕を振り上げた状態のレド様の胴体を掌で薙ぎ払う。左側にいたレド様が魔獣の腹を目掛けて振るった大太刀の刃に向かって傾れ込み、私は焦る。

「【(プロテク)(ション)】ッ!」

 レド様のために張った魔力の盾に大太刀が弾かれ、私は体勢を崩さないよう足に力を入れる。

 魔獣がレド様と私に右手を振るったが、レナスが【冥】で弾き返してくれた。

 【聖剣】以外では傷つかないとはいえ、丸腰で3人相手は分が悪いのか、魔獣はバックステップで後方へと跳ぶ。私たちも、すかさず魔獣を追って跳んだ。

 魔力を消費して、【聖剣】を大太刀から太刀に変える。

 【|聖騎士《グローリアス・ナ
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