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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#11
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、黒いオーガの掌に吸い寄せられていく。魔獣の肉片まで震え出したかと思うと、黒いオーガの方に向かって引き寄せられていった。
魔獣の肉片はズルズルと這いずりながらも、徐々に崩れ落ちてさらに細かい肉片へと成り果てる。
私が再び【
心
(
インサイト
)
眼
(
・アイズ
)
】を発動させると、すぐにノルンのアナウンスが響いた。
干渉魔法【誘導】、会得しました────
この異様な光景に、何か
悍
(
おぞ
)
ましいことが起ころうとしているのは判っていた。今のうちにあの黒いオーガを討つべきだと思うも────何故だか、この先を見届けなければならない気がした。
レド様も同じように感じているのか、動かない。
私は、一部始終を見届けるべく、一層、眼を凝らす。
魔獣の血も肉片も、黒いオーガの許へ辿り着いた傍から───その手を伝って腕、首から頭、地に着いた膝から足や腰、腹部、胸部へと這い上がっていき、果ては黒いオーガの全身に留まらず大剣すら隈なく覆い尽くして────さらに幾重にも覆い隠す。
血に塗れた肉片が溶け出して、やがて肉片はすべて血に呑まれ────表面上は、水気の多い泥のように滑らかになる。それは、“クレイアニメーション”のように、ゆっくりと形を成していき────
干渉魔法【同化】、会得しました────
ノルンのアナウンスが響くと同時に、変化は終わりを迎えた。
魔獣の死体と血が跡形もなく消え、その場に遺されたのは────奇怪な大剣を携えた、全長4mはある黒い魔獣。
オーガの姿かたちをしていることも、漆黒の毛に覆われた黒ずんだ皮膚も、闇を具現化したかのような歪な剣を握っていることも変わりはないが────その大きさだけでなく、醸し出される禍々しさが、明らかに増していた。
【
魔導巨兵
(
マギアギガス
)
】
高貴
(
ハイ
)
エルフによって生み出された人為的な【魔獣】。造り手や元になる【奴隷種】によって性能は異なるが、一様に高い【物理耐性】と【魔術耐性】があるため、生半可な武具や【魔術】は通用しない。討伐するには【聖剣】以上の武具が必要。
【
心
(
インサイト
)
眼
(
・アイズ
)
】が齎した分析結果に、私は息を呑む。
エルフが生み出した、人為的な魔獣?しかも、【聖剣】でしか討つことはできない────?
それに、気になるのは────固有名称や情報があることだ。古代魔術帝国は、この特異な魔獣と何らかの関与があったということに他ならない。
敵対していたのか、それとも─────
「エルフによって生み出された人為的な魔獣────だと…?」
レド様も【
解析
(
アナライズ
)
】をしたらしく、驚愕とも疑惑ともつかぬ声音で呟いて────切り替えるように、小さく息を
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