第二章
[8]前話
挨拶自体は問題なく終わり省吾は則子を自分の両親にも紹介して程なく結婚に至った、そして二人の間に息子の勝太郎父親によく似た彼が生まれたが。
息子を見てだ、省吾は妻に言った。
「やっぱり親子は似るね」
「遺伝でね」
「けれど奥さんはお義母さんと」
「今もそっくりよね」
「お母さん若作りで奥さん童顔で」
見れば子供が結構大きくなっても妻はまだ昔のままだ。
「変わらなくて」
「そうね、けれどわかるでしょ」
妻は夫ににこりと笑って言った。
「外見はそっくりでも」
「奥さんとお義母さん違うよ」
「わかるわね」
「一緒にいればわかるよ」
こう答えた。
「雰囲気が違うし動きもね」
「年齢出るわね」
「外見はどうでもね」
それでもというのだ。
「やっぱり出るね」
「それでわかりでしょ」
「うん、やっぱりね」
何と言ってもというのだ。
「年齢はね」
「隠せないわよ」
「そうだね、だからね」
それでというのだ。
「僕もわかるよ」
「外見はそっくりでもね」
「中身は違うね」
「そう、それは一緒にいるとね」
「わかるよ、それもまた人間だね」
「そうね、中身は違うこともね」
外見はどうでもとだ、こうした話もしてだった。
二人で勝太郎を育て則子の両親とも機会があれば会った、則子と南はずっとそっくりだった。だがお互いに年齢が出てだった。
南は老人の動きでそれで省吾もわかった、外見はどうでもやはり別人なのだと。
驚く位そっくりさん 完
2024・12・16
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