第二章
[8]前話
二人は言われるままに料理を改善していった、だが。
二人はプロの義兄が厳しいことを言わず美味しいと言うのを忘れないのでそれである日家でくつろいでいる彼に尋ねた。
「お義兄さんいつも私達のお料理けなさないわね」
「失敗したと思った時も」
「どうすればいいか言ってくれて」
「駄目出しはしないわね」
「いや、二人共料理部で家でもよく作っていて」
義兄は義妹二人穏やかな声のまま答えた。
「いい感じだしね」
「そうなの」
「私達いい感じなの」
「うん、それでね」
そうであってというのだ。
「正直僕も偉そうに駄目出しするの嫌いだし」
「そうなのね」
「性格的に」
「そんな先生高校の時いたから」
小さな丸い目と薄い唇を持つ面長の顔で言った、黒髪は短く背は一七〇程で痩せている。声は高い。
「見ていて嫌だったし」
「その先生みたいにならない様に」
「駄目出しはしないの」
「駄目出しって楽だっていうよ」
義妹達にこうも言った。
「否定するだけだし、けれど否定ばかりしても」
「駄目なの」
「そうなの」
「うん、いいものはいいって言って」
素直にというのだ。
「二人にもそうしてるし」
「改善点も言う」
「そうもしていて」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「次は今以上に」
「そう思ってなの」
「いつも感想聞いたら穏やかにお話してくれるのね」
「そうだよ、それで今日はカレーだね」
テーブルに着いて尋ねた。
「楽しみだよ」
「ええ、それじゃあね」
「今から出すわね」
二人は笑顔で応えた、そうしてだった。
常興と一緒にカレーを食べた、彼はそのカレーを食べて笑顔で美味しいと言った、そして肉をあと少し煮るともっといいと言った。二人もそれではと頷いたのだった。
義妹二人の料理 完
2024・12・16
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