第四十一話 決戦前夜その三
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「自分を抑えるなんて」
「出来なかったわね」
「そんな人だから」
「気配りだってね」
「ちゃんと出来るんだよ」
「苦労してるとな」
レオはそれならと話した。
「気配りだって出来るな」
「そうだよな」
「それでどうして王様として駄目だったか」
陽川も真顔で話した。
「誰もそうは思いませんよ」
「そうなのか」
「はい、実際皆わかってますよね」
陽川は真面目な顔で述べた。
「お国でも」
「はい」
ドゥーガが畏まって答えた。
「今ではです」
「やっぱりそうですよね」
「最初は騙されていた、暴君だったとです」
「誤解しても」
「今ではです」
陽川に真実を話した。
「ラクレス様のご真意を理解してくれて」
「いい王様と認めてくれていますね」
「偉大な前王だと」
今はハスティーが王だがというのだ。
「その様に」
「そうですよ、わかりますよ」
陽川はまさにと応えた。
「誰だって。誠実さって絶対に出ますから」
「ええ、本当にね」
早見はラクレスだけでなく陽川も見て話した。
「出るわね」
「あれっ、僕見てます?」
「だって陽川さんも負けない位に誠実だから」
陽川本人に微笑んで話した。
「だからよ」
「僕も誠実ですか」
「凄くね、よくわかるわ」
「だが私は国民を欺いた」
「だからそうするしかなかったじゃないですか」
「そうよ」
陽川だけでなく早見も言った。
「それならよ」
「仕方ないですよ」
「ああする以外なかったんだし」
「もうね」
「あんな連中どうして戦えばいいかな」
野々村も首を傾げさせて言う。
「とてもな」
「他にないわ」
夏目も言った。
「まずは必死に欺いて」
「それこそ国民だってな」
「そうもしてね」
そしてというのだ。
「機会を伺わないとね」
「駄目だったな」
「けれど本当は皆を護ろうとしたし」
「出来る限りそうしたしな」
「立派よ」
「本当にな、それであんたもな」
野々村はラクレスを見据えて彼に話した。
「是非な」
「決戦ではか」
「力を貸してくれ」
「そうしていいのだな」
「訓練にもずっと参加してきたしな」
このこともあってというのだ。
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