暁 〜小説投稿サイト〜
金木犀の許嫁
第四十五話 鯨肉その十一

[8]前話 [2]次話
「見習うわ、ちなみにね」
「ちなみに?」
「あの理事長さん達が信者さんの天理教の教会にいた」
「あのどうしようもない人ね」
「働かないで図々しくて尊大で恩知らずっていう」
「文句ばかり言って人の家に上がり込んで大飯食べる」
「この人実は長男さんだったらしいわ」
 このことを話すのだった。
「それでもね」
「駄目だったの」
「実際そんなこと弟さんに言って」
 そうしてというのだ。
「自分は全くね」
「努力しなくて」
「それでそうなって」
「弟さん達になの」
「弟さん達はちゃんと働いてね」
 そうであってというのだ。
「色々努力していて」
「その人よりも立派だったのね」
「そうだったのよ、あの人を見てもね」
「言えることね」
「そう、夜空ちゃんにいいところがあれば」
 真昼はあらためて言った。
「私はね」
「見習うのね」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「よくなる様にね」
「していくのね」
「そうしていくわ」
 実際にというのだ。
「これからもね」
「いいことですね」
 白華は真昼のその言葉を聞いて頷いた。
「どんな人でもいいところがあれば」
「それでね」
 真昼は白華にも応えた。
「見習ってね」
「自分がよくなるんですね」
「そうなるの、ただね」
「ただ?」
「今お話した人は白華ちゃんも知ってるわね」
「学園でも有名人ですね」
「理事長さんが信者さんの教会にいた人だから」
 真昼は白華にもこのことを話した。
「八条家の人はどなたも信者さんで」
「天理教の」
「だからね」
 それでというのだ。
「学園でもよ」
「有名人ですね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「八条グループでもね」
「有名ですね」
「駄目過ぎる人ってことで」
「ああはなるまいと」
「思われてね」
 それでというのだ。
「有名だから」
「私達も知っていますね」
「世の中駄目な人もいるけれど」
「その中でも」
「とりわけね」 
 こう言っていいまでにというのだ。
「駄目と言ってね」
「いい人ですね」
「だからね」
 そうした輩だからだというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ