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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第114話 上洛 後編
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して決心できませんでした。
 「理解した上で実行したわけね。駄目駄目ね」
 華琳は私の馬鹿にするように言いました。
 「華琳さん。正宗様に無礼ですわよ」
 麗羽は華琳の態度が気に入らなかったのか、彼女に噛み付くように言いました。
 「麗羽、夫の行いを盲目的に肯定することだけが妻の努めじゃないわよ。あなたじゃ無理でしょうから、私が友として正宗に忠告するのよ」
 「何ですって??????!」
 麗羽が金切り声を上げましたが、華琳は面倒くさそうに無視し、麗羽から私へ視線を戻しました。
 「正宗、あなたは討伐した異民族を許すべきでなかった。信賞必罰は秩序維持の上で重要なことよ。異民族は異民族。あなたが幾ら情けをかけようと、異民族と漢民族との同化は時間と金の無駄。やる意味がないわ。異民族を見逃したことで、幽州で火種を残すことになったわよ。火種を作る位なら、異民族のうち、反逆した部族だけ皆殺しにするべきだった。政道とは治世を安定させることが最優先であるべきと思うわ。そのためなら、どのような非道な行為も実行しなければいけない。あなたには、その覚悟が感じられないわ」
 華琳は厳しい表情で私に説教をしてきました。
 「それは・・・・・・」
 私は華琳に何も言い返せませんでした。
 彼女の言葉は耳が痛いです。
 常日頃、揚羽に言われることですが、土壇場で判断が鈍ってしまいます。
 このままでは桃花と対立するときも、判断が鈍る可能性があります。
 「ふ、私が言いたいことは、それだけよ。場を白けさせてしまったわね。正宗、麗羽、失礼するわ」
 華琳は少し複雑な表情を浮かべると、私達に踵を返して去ろうとしましたが、彼女は私に背を向けたまま立ち止まりました。
 「正宗、あなたは甘過ぎるわ。内政であれば、あなたの甘さは領民に愛されるはず。でも、それ以外では、あなたの甘さは毒となる。自分の不得手なことは、信頼の置ける者に全権を与え任せなさい。そうしないと、あなたは何れ甘さで死ぬことになるわよ。私を失望させないで頂戴」
 華琳はそう言うと去って行きました。
 「正宗様、あまりお気になさらないでくださいまし」
 麗羽は私を気遣うように声をかけてきました。
 「でも、華琳さんの意見であることが気に入りませんけど、華琳さんの仰ること一理ありますわ。正宗様、華琳さんは嫌いな人ですけど、有能な人物ですわ。彼女の助言は受け入れるべきと思いますわ」
 麗羽は冥琳の件などお構い無しに華琳の助言を聞くべきと私に言いました。
 「出来ないのなら、出来る人物に任せるか・・・・・・」
 そうですね。
 「ああ、分かった」
 「あの方が曹操殿ですか? あの方は間違い無く正宗様にとって脅威になると思います。ですが、あの方の言葉は言い得て妙だと思います。正宗様、外交を私に
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