第114話 上洛 後編
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を打ち明けましょう。
と、思いましたが私の計画は脆くも打ち砕かれました。
「ところで正宗様、私に打ち明けることがありますわよね」
先ほどまでの心地よい空気が一瞬で変わりました。
明らかに麗羽の纏う空気が変わりました。
彼女の纏う空気は凍てつくようで、私は背筋に悪寒を感じました。
間違い無く麗羽にバレています。
「な、何かな。はは、麗羽」
私は狼狽えるように私の胸の顔を埋める麗羽に声をかけました。
「正宗様、ご説明いただけますわよね」
麗羽は顔を上げ、優しい笑顔に似つかわしくない、低い声で私に言いました。
「な、何でしょうか。麗羽さん」
麗羽の言い知れぬ迫力に私はたじろぎました。
「ご冗談を。可愛い側室を3人も迎えたそうでありませんか? 正室の私に何も相談してくださらず、その上、ご説明もいただけませんの」
麗羽はこめかみに青筋を立て、笑顔まま私に皮肉混じりに言いました。
気のせいかも知れませんが、彼女が私を抱擁する両手に力が入っているように感じました。
「3人? 2人だ。1人は形式上の側室で何もやましいことはしていない。冥琳とも未だ何もしていないぞ!」
私は麗羽に必死に弁明をしました。
「未だ? ですのね。私、正宗様とお約束しましたわよね」
麗羽は笑顔のまま、私へ殺気を放ちました。
麗羽では私を殺すことは無理でしょうが、彼女が凄く恐いです。
「次、側室を増やしたら、一緒に死ぬ。でしたっけ?」
私は麗羽の殺気に当てられ、彼女に敬語で答えてしまいました。
「オホホホ、覚えていただけて嬉しいですわ」
麗羽は上機嫌になり、笑顔で私を見つめています。
恐い。
「麗羽、これには訳がある」
「訳? それは何ですの」
麗羽は一瞬ほくそ笑むと私に問いました。
「冥琳と結婚したいな〜と思ったのさ」
軽く流してみたら、麗羽も許してくれるかなと淡い期待をいだきました。
「ホホホ、正宗様は私と揚羽さんだけではご不満なんですのね。よーく、分かりましたわ。その辺も含め、じっくりとお話しましょうね」
やっぱり無理でした。
こんな受け答えで麗羽が許す訳ないです。
私の発言が墓穴を掘ってしまいました。
私の先ほどの発言で麗羽の機嫌を更に損ねてしまったようです。
素直に打ち明ければよかったです。
どうすればいいでしょう。
私は麗羽の剣幕に恐怖を覚え、私は揚羽に視線を向けましたが、彼女は目を伏せ無視しました。
冥琳へ救援を求めると、彼女も揚羽と同様に気まずそうに目を伏せました。
私の味方はこの場にいないようです。
絶対絶命です。
絶対絶命の私に助け舟を出したのは意外な人物でした。
「正宗、久しぶりね」
「華琳、久し
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