第四十五話 鯨肉その八
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「鯨肉もです」
「安くなったらね」
「いいですね」
「安いっていうのはね」
それはというと。
「それだけでね」
「いいですね」
「正義よ」
こうまで言うのだった。
「まさにね」
「正義ですか」
「そう、正義よ」
「正義は安いことですか」
「高いとね」
それならというと。
「もうそれはね」
「悪ですね」
「そうなるのよ」
実際にというのだ。
「もうね」
「悪なんですね」
「私としてはね」
「安いと正義で」
「高いは悪よ」
「じゃあ特価やバーゲンは」
「大正義でね」
そうであってというのだ。
「それ半額もよ」
「大正義ですか」
「まさにね」
「そうですか」
「物価は安い」
きっぱりと言い切った。
「それだけでね」
「いいですか」
「それこそ正義で」
まさにというのだ。
「もう何でもね」
「安いとですね」
「いいってね」
その様にというのだ。
「思ってるわ」
「まさに主婦の考えね」
真昼は笑顔で話した。
「それって」
「そうなる?」
「ええ」
妹に笑顔で答えた。
「そうなるわ」
「そうなのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「いい考えよ」
否定はしなかった。
「やっぱりね」
「安いがいいっていうのは」
「その通りでね」
それでというのだ。
「これからもね」
「この考えでいいのね」
「悪い筈がないわ」
それこそというのだ。
「もうね」
「それじゃあね」
夜空はそれならと頷いた。
「これからもね」
「その考えでいるわね」
「そうするわ」
「お金は大事だからね」
真昼はこの真理も話に出した。
「やっぱりね」
「もうそれは事実よね」
「人間社会だとね」
「若しお金がなかったら。というか」
夜空は考える顔になって姉に言った。
「ハイパーインフレとかになって」
「お金の価値がなくなったらね」
「もう生活していけないわね」
「普通にはね」
「そうなるわね」
「大戦前のドイツとかね」
世界恐慌の時のことである。
「もうね」
「大変なことになっていたわね」
「経済が完全に崩壊してね」
恐慌によるハイパーインフレによってだ、一兆数千億倍という桁外れのインフレによりドイツ経済は文字通り完全に崩壊したのだ。
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