第三百七十三話 ブラジルからその十三
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「それが獣やモンスターでも」
「彼等でもですね」
「絶対によ」
「見捨てへんですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「人も獣やモンスターも」
「見捨てへんで」
「そしてね」
「戦力としていきますね」
「誰でも平気で見捨てたり切り捨てたり」
アレンカールは忌々し気に語った。
「そんな奴に誰がついていくか」
「自分もと思いますね」
「それが人でも国家でもね」
「企業でもですね」
「そんなところではね」
「誰も真剣に働かへんですね」
「人を絶対に見捨てない」
無論獣やモンスターもというのだ。
「そうであってこそね」
「人はついてくるものです」
「獣やモンスターもね、そもそもあたいそういうの嫌いよ」
「僕もです」
アマードもそうだと答えた。
「そうした行いはです」
「そうした奴もよね」
「大嫌いです」
「学校の部活でもね」
こちらでもというのだ。
「平気で人を見捨てる顧問やと」
「何かあればもうすぐに期待していない」
「冷血に切り捨てる様な顧問やとね」
「その部活はよおなりません」
「いつも見ているという顧問ならね」
それならとううのだ。
「よおなるけれど」
「そんな顧問やと」
「どうせ生徒を粗末に扱ってるし」
普段からというのだ。
「もうね」
「その部活はよおならへん」
「いてもね」
生徒即ち部員達がというのだ。
「ええことはね」
「あらへんですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「その筈がないわ」
「左様ですね」
「そやからね」
「先輩も僕も」
「そもそも自分が見捨てられた嫌でしょ」
「絶対に」
アマードは即座に答えた。
「それは」
「自分がやられて嫌ならよ」
「人にはしないことですね」
「生きものにもね」
「そうすることですね」
「試しに人を平気で切り捨てて暴力まで振るったら」
そうすればというのだ。
「その顧問は生徒に慕われるどころかね」
「敵とみなされますね」
「そうなるわ」
こうしたことを書いたのが孟子であった、君主が家臣を塵芥の様に扱えば家臣は君主を敵とみなすと言ったのだ。
「確実にね」
「そうしてやがては」
「その部活は崩壊するわ」
そうなるというのだ。
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