第二章
[8]前話
「五日ね、ずっとああだったからね」
「ああだったって」
「昔からですか」
「部長さんずっと働いておられたんですか」
「そう、入社した頃からね」
佐古下は山田の部下達に話した。
「本当にね」
「ああしてですか」
「ずっとですか」
「働いておられたんですね」
「お盆お正月も出勤してね」
そうしてというのだ。
「それでだったから」
「物凄いですね」
「頑張っておられたんですね」
「入社されてから」
「仕事熱心で努力家でどんどん結果も出すけれど」
それでもとだ、佐古下はさらに言った。
「やっぱりね」
「無理は出来ないですね」
「やっぱり」
「それは禁物ですね」
「そうだよ、それが出て」
そうしてというのだ。
「倒れたからね、これを機会に家庭も大事にしてね」
「よく休む」
「そうしてもらいますか」
「部長には」
「そうしてもらうよ」
こう言ってだった。
佐古下は山田が入院している病院に行って彼に今後は彼自身も定時に来て帰って休日は出勤しない様に言った、家庭を大事にする様にもと。
するとだ、会社人間の山田は上司の言葉には素直に従い。
「家にもいてね、家族とも一緒の時間が増えて」
「よくなりましたか」
「家庭もそうなんですね」
「実は家で居場所がなくなっていたけれど」
仕事一筋であったからなのは言うまでもない。
「それも出来てね」
「よかったですね」
「じゃあこれからはですね」
「部長も倒れずに済みますね」
「そうだよ、仕事をしても倒れたり家庭をおろそかにしたら駄目だよ」
佐古下は山だの部下達に言った、佐古下も彼等も山田が入院している間彼の家族の共によく見舞いに行っていた、そして彼を労わっていたこともあり。
彼は仕事だけではなくなった、読書や自転車も楽しむ様になり趣味人間にもなった。そのうえで定年まで働き悠々自適の老後にも入ることが出来たのだった。
急に倒れた理由 完
2024・12・15
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