最強の目
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
手には使うことのない刀使の力を発揮する。
「迅位!」
刀使の代表的な能力の一つ、迅位。
その速度は、可奈美のように卓越した能力者にもなれば、銃弾の速度にも匹敵する。
だが市長は、簡単に可奈美の動きを理解したようだ。即座にその剣で、可奈美の千鳥を受け止める。
「っ!」
息を呑む可奈美は、さらに続けて刀使の能力を発揮する。
「八幡力!」
可奈美の蹴りに入る、御刀の力。
岩だろうが粉砕できる力量になったそれは、確かに市長の胸を貫いた。
貫いたのだが。
「……確かに、人間以上の力だ」
「嘘でしょ……!」
確かに、少しは力を抜いたかもしれない。
だがそれでも、生身の人間が平然と受けるにしては高すぎる威力の蹴りだったはずだ。
そして、大きく動けない可奈美の胸元へ、市長のサーベルが振り下ろされる。
「金剛身!」
可奈美の体が、サーベルの剣先に合わせて薄っすらと金色に変色していく。
金剛身。
これまではさほど使うことはなかったが、聖杯戦争の戦いの中で習得していった、肉体硬化の力。
可奈美の盾となる肉体だが、それは可奈美を守ったとは思えず、大きく吹き飛ばしていった。
「ぐっ……」
「可奈美ちゃん!」
叫ぶ友奈は、追撃しようとする市長の前にその拳をめり込ませる。
大きく抉られた大地は大きな亀裂を造り出す。だが、すでに安全圏へ退避した市長は、友奈が体勢を正すのを見守っていた。
「止めてください! どうしてこんな……!」
「君に用はない」
おそらく友奈が聞けた市長の言葉は、それだけだろう。
すでに市長は、友奈の背後に立っている。何があったのか、彼女は理解できていないに違いない。
「がっ……!」
友奈の全身、ありとあらゆる場所からは、火花が咲き誇り。
生身となって倒れていた。
友奈へトドメを刺そうとする市長。
だが。
「止めろ!」
その声とともに、市長へ火炎放射が放たれた。
だが市長は、全く焦ることなく、サーベルを盾に振る。すると炎は、左右に両断、そのまま空中に霧散していく。
市長はゆっくりと炎の発生源___ドラグクローを構えたままの龍騎を睨んだ。
龍騎は、構えを少し解きかけている。いくら強いとはいえ、生身の人間相手。手加減していたとはいえ、あっさりと防御されるとは思わなかったに違いない。
「ふむ。君は、少しは歯ごたえがあるのかね?」
市長は吐き捨て、サーベルを龍騎へ向け、突撃。
龍騎はもう一度、ドラグクローを引く。
今度はおそらく手加減抜きだろう。彼の周囲を旋回するドラグレッダーと合わせ、彼の|
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ