紛い物
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一気に薙ぎ払う。
即座に可奈美は千鳥に赤い光を宿し、水を両断する。
一気に蒸発した海水を突っ切り、龍騎と友奈は同時にポセイドンに挑む。
だが、ポセイドンは長槍を横にして、二人の拳を同時に受け止める。
「なるほどな。悪くはないが……弱い!」
ディーペストハープーンを振り回し、同時に水が彼の周囲を旋回する。
水は竜巻となり、龍騎と友奈を流し、地面に転がす。
さらにそれは高く伸び、可奈美へ迫ってくる。
可奈美は大きく後退し、水流を回避。
だが水流は、可奈美の背後まで流れていき、茫然としているパピヨンを切り裂いた。
「ぐおっ!」
「あっ!」
地面に落ちるパピヨン。
そんな非参加者を見下ろしながら、ポセイドンは吐き捨てた。
「怪我をしたくないなら失せろ」
「何だと……!?」
「それとも、戦うか? ならば相手をしてやる。だが命乞いだけはするな? 時間の無駄だ」
ポセイドンはその言葉とともに、敵意をパピヨンにも向けた。
パピヨンは唇を噛み、コエムシを睨む。
「聖杯戦争の監督役! どういうことだ! 俺はそれなりに魔力量もある! 他の参加者とも戦い、命を奪う覚悟もある! なのに、なぜ、そこの戦う気のない小娘たちはよくて俺は参加できない!?」
『さっき言ってやっただろうが。紛い物を参加させるわけにはいかねえんだよ』
「参加者には、宇宙人もいたと聞いているぞ! なぜ宇宙人は良くて俺はいけないのだ!?」
『だーかーら! ホムンクルスだからだっつってんだろ何度も言わせんな!』
コエムシは苛立ちながら叫んだ。そして、『おい、ポセイドン』と処刑人に命令を下す。
『その紛い物も始末しろ。徹底的にな』
「……良いだろう」
ポセイドンはパピヨンを一瞥した。
「お前も俺を楽しませてくれ。ただ、命乞いだけはするなよ? 時間の無駄だ」
「ならば……処刑人を始末し、俺が参加者に相応しいと認めさせるしかあるまい!」
宣言したパピヨンから放たれる蝶たち。
だがポセイドンは、長槍を薙ぎ、一気に蝶たちを洗い流していく。
「ニアデス・ハピネス!」
だが、ポセイドンに流された蝶たちは、水で無力になるわけではない。地面に落ちたところから、次々に爆発し、見滝原公園の緑を破壊していく。
「くっ……迅位!」
可奈美の刀使の能力である高速移動が、新たに生成したパピヨンの蝶たちを切り裂いていく。爆発に次ぐ爆発が、見滝原公園を圧し潰していく。
一方、龍騎もドラグセイバーでポセイドンへ斬りかかっている。ポセイドンは長槍で受け止めながら、「フン」と鼻を鳴らした。
「なかなかやるようだな。なら、これはどうかな?」
ポセイドンは長槍の持ち手を蹴り上げる
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