紛い物
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も、何が起こるか決まっていた。
可奈美の予想を実現するように、コエムシの背後、見滝原公園の木々の光景が銀に染まっていく。
『今までの甘ちゃんじゃねえぞ? 今回は、敵をぶっ潰すことに何の戸惑いもねえ最強の処刑人の登場だ!』
処刑人。
今まではその銀のオーロラより、処刑人が登場していた。
だが今回、オーロラより登場したのは掌に収まりそうな小さい物品。三枚の硬貨のようなものが、ふわりと浮かびながらコエムシの前に並ぶ。
「お金? いや、メダル……?」
真司がそう認識した途端、メダルは三角形に並ぶ。
『さあ、言った通りだ。しっかり奴らを始末してくれよ』
「いいだろう。戦いならば、何時でも歓迎だ」
コエムシに返答する声は、どこから聞こえてきたのだろう。
その答えが、あのメダルからだと、可奈美は認識していても理解できない。
そして、そのメダルを囲むように、地面から無数の銀色のメダルが現れる。それは、次々に三色のメダルに収束していき。
そして。
「変身」
飽くなき戦いへの欲望を秘めたメダルの塊は、すぐさま人の形となる。そして。
『サメ クジラ オオカミウオ』
三角形を形作るメダルが、甲高い音を鳴らす。
音声に合わせて、メダルからそれぞれの生物のイメージが飛び出て、三角形を描き出す。それはメダルの塊へと接触し、大きな水しぶきを迸らせながら、それはこの世界に錬成された。
「さあ……戦わせてくれ……!」
『ああ。望み通り、たっぷりと戦いな! ポセイドン!』
ポセイドン。
どこかの神話、その海の神と同じ名前を持つ処刑人。
とてもダークカブトやルパンのような協力的とは思えない。
戦いへの欲望を露わにするように長槍を振るう彼は、明らかに敵意を見せていた。
可奈美、真司、友奈、そしてパピヨン。
この場にいる者たち全員を見定めながら、彼は問う。
「さあ、俺と戦うのは誰だ?」
可奈美、真司、友奈それぞれに長い槍を向けながら、処刑人ポセイドンは言った。
一方可奈美たちも、それぞれの体に会得した力を解放させる。
「写シ!」
「「変身!」」
鏡像と花びらが空間に溢れ出し、真司と友奈の姿が変わっていく。
同時に可奈美の肉体も写シを纏い、再び白く輝いていく。
「ほう、三人がかりか。いいだろう。だが一つ言っておく」
ポセイドンは三人を槍で指しながら告げる。
「命乞いはするな。時間の無駄だ」
彼の言葉をそのまま受け取るのならば、それは敵意を収めるつもりがないということだろう。
ポセイドンは三人を一瞥し、赤い長槍、ディーペストハープーンを振るう。
その刃先は海の波濤を宿し、三人を
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