紛い物
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たしも剣とか持っていたらいいんだけどね。夏凛ちゃんの剣とか、わたしも使えたらよかったのにな」
「ううん。大丈夫だよ真司さんも、付き合ってくれてありがとう!」
「ああ! これぐらいならいつでもいいぜ」
真司はそう言って拳を突き出した。
可奈美は拳で突き合わせてそれに応じ、「ありがとう!」と礼を言った。
「それより腹減ったな。友奈ちゃん、弁当食べようぜ!」
「そうだね! 可奈美ちゃんも食べよう!」
「うん! お弁当!」
可奈美は手を合わせる。
友奈はベンチに戻り、置いてあった弁当籠の蓋を開ける。すると。白いサンドイッチが詰め込まれていた。
「あれ? 友奈ちゃんが持って来るものだから、てっきりうどんかと思ってたよ」
「うーん、わたしはそうしたかったんだけど、流石にうどんは入れられないよ」
「友奈ちゃん、ホントすごかったんだぜ! うどんを入れられないかアレコレやっててよ」
「だって、可奈美ちゃんにもうどん食べて欲しかったんだもん!」
「私友奈ちゃんのところに行く時、いつもうどん頂いてるよ?」
可奈美はサンドイッチを頬張りながら言った。
シャキシャキとした歯ごたえを感じながら、可奈美はサンドイッチを頬張っていると。
「優雅な昼食のところ、失礼するよ」
突如、その声が頭上から聞こえてきた。
思わず顔を上げる可奈美、真司、友奈。その目線の先には、無数の蝶が一か所に固まっていた。
そして、その群生より現れるのは、黒いタイツを纏った蝶の仮面の男。
「パピちゃん!」
友奈の呼称により、可奈美は目の前の男が、ここ最近ハルトからよく話を聞くパピヨンだと理解する。
音もなくパピヨンは着地。蝶の仮面から見える鋭い目は、可奈美と真司をじっと捉える。
「ふむ。君たちは初めましてだな。改めて自己紹介といこうか。俺はパピ☆ヨン」
パピヨンは大きく腰を曲げる。
「お見知りおきを」
「あなたがパピヨン……」
可奈美は腰に付けた千鳥を握る。一方パピヨンは、「ノンノン」と指を振った。
「パピ?ヨン。もっと愛を込めて」
「聖杯戦争への参加を希望しているって聞いたけど、本当なの?」
「よく俺の事を聞いているじゃないか。セイヴァーのマスター……」
笑みを浮かべるパピヨン。それを見ただけで、聞いていた話が事実だという証明になる。
「聖杯戦争最強の剣士……相手にとって不足はない!」
パピヨンはそう言って、両手を広げる。
無数の蝶が、可奈美、友奈、真司の前に広がっていく。
だが。
「やめろ!」
真司が叫び、手にしたカードデッキから龍のカードを引き抜く。
すると、天空より赤い龍が飛来、蝶の大群に突っ込んでいく。蝶た
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