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博士の挑戦状
第二百五話

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               第二百五話  ゲーム上手
 博士は小田切君に話した。
「そのファミリーコンピューターのコントローラーじゃが」
「操作楽ですよ」
 小田切君は笑って応えた。
「本当に」
「ぞう言うのう、小田切君は」
「だって十字キーとボタン二つしかないんですよ」
 だからだというのだ。
「エーボタンとビーボタン」
「縦横斜めじゃな」
「移動それだけで」
 そうであってというのだ。
「ボタンもジャンプと攻撃だけですから」
「楽か」
「はい」
 実際にというのだ。
「もうどんなゲームもすぐに覚えられて」
「操作をじゃな」
「それで、です」
「楽に進められるか」
「今のゾンビゲームなんかと比べると」 
 それこそというのだ。
「操作滅茶苦茶楽です、それでステージの構造も敵の動きも」
「覚えやすくてか」
「もうさくさく進めます」
「今のゲームと比べるとか」
「僕は楽ですね」
 やはり笑って答えた。
「本当に」
「今のゲームと比べるとか」
「シンプルです」
「かつては大人でも苦戦したがのう」
「昭和の頃はですか」
「そうじゃがな」
「今のゲームは違いますからね」
 ゾンビゲーム等はというのだ。
「全く」
「遥かに難しいからか」
「はい」
 だからだというのだ。
「僕は何でもないです」
「そうか、今と昔は違うか」
「全く。サクサク進めます」
「そう言えるのはやはりな」
「僕はゲーム上手ですか」
「これが下手な人はそうは進めん」
 小田切君の様にというのだ。
「そうなのじゃよ」
「そうですか」
「うむ、それが出来るところに出ておる」
 小田切君のゲーム上手がというのだ、博士はそのことを小田切君本人に対して確かな声で話すのだった。


第二百五話   完


                2024・10・2
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