第九十二話 最上階その十
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「これからも慢心せずにな」
「何でもやっていくことですね」
「一つの大きな物事を終えてもだ」
「それで完全に終わりやない」
「それは一つの通過点でな」
終えてもというのだ。
「これからがあるからな」
「そやからですね」
「努力してだ」
そのうえでというのだ。
「先を進むのだ、いいな」
「そうします」
「では主達を戻そう」
素戔嗚尊は微笑んで話した。
「踏破した。そして神具を授けた」
「それならですね」
「もうだ」
これでというのだ。
「塔の門の前に戻してな」
「そうしてですね」
「主達の場所に戻るのだ」
「わかりました」
中里は確かな声で応えた、そして他の者達もだった。
確かな声で頷いた、そのうえでだった。
神霊達があらためて出した光、今度は温かい笑顔でそうしたそれに包まれてだった。その光が消えると。
一行は塔の門の前、自分達がこの塔で最初に来たその場所に出ていた。まるで塔の中での多くの戦それに冒険がなかったかの様にだ。
そこにいた、綾乃はそこに出てまずは仲間達を見回して微笑んで言った。
「皆おるね」
「ああ、健在や」
芥川が笑顔で応えた。
「この通りな」
「そやね、ほなね」
「今から戻ろうな」
「都に」
「さて、戻ったらな」
芥川は笑顔のままこうも言った。
「あらためてや」
「政があるね」
「一月経ったらしいが」
「その一月の間に何があったか」
「まずは都に戻ってな」
そうしてというのだ。
「太宰に聞こうな」
「太宰君が留守を守ってくれてたし」
「あいつに聞こうな」
「そうしよね」
「ほんまあいつには頼りきりやな」
中里は少し申し訳なさそうに笑って述べた。
「僕等は」
「政のことだけやなくて」
「こうした時もな」
「頼りにして」
「留守を守ってもらってな」
そうしてというのだ。
「苦労かけてるな」
「うち等が日本の関西だけの勢力やった時から」
「ほんま政特に内政はな」
「物凄い頼りにしてたわ」
「インフラも治安も産業もな」
「全部どんどんやってくれて」
そうしてというのだ。
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