第百五十一話 お気に召すままその十一
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「周りもね」
「文句ばかり言ってるとね」
「嫌に思って」
それでというのだ。
「付き合わなくなるよ、特にコミュニティの中にいて」
「そのコミュニティの文句ばかり言ったら」
「周りがどれだけ嫌に思うか」
「そのうちいられなくなるわね」
「だから文句を言うよりも」
「素直になることね」
「それが大事だってね」
その様にというのだ。
「最近思うよ」
「そうなのね」
「いいものは素直に受け入れる」
伊東は確かな声で言った。
「それが一番幸せになる近道じゃないかな」
「自分が成長するから」
「成長したらね」
そうすればというのだ。
「その分いいものがさらに見える様になるっていうから」
「そうなの」
「そう言われたことあるし」
「素直に受け入れることね」
「それがね」
まさにというのだ。
「幸せになるね」
「第一歩ね」
「そうかも知れないね」
「そうなのね、何かね」
「何か?」
「いや、いいものは簡単でわかりやすくて」
留奈はそれでと言った。
「素直に受け入れたら」
「成長して幸せになれるよ」
「幸せになるって」
そうなることはというと。
「案外単純かもね」
「そうかも知れないね」
伊東も否定しなかった。
「これが」
「そうよね」
「偉そうに何でも文句言ってたら」
そうすると、というろ。
「間違いに気付いて言える自分頭いい偉い、恰好いいってね」
「勘違いするのね」
「これってね」
「頭よくも偉くも恰好よくもないわね」
「中二病の中でも」
それこそとだ、伊東は眉を曇らせて言った。
「最悪の部類だよね」
「勝手な勘違いでね」
「自分を転生したとか言ってるならね」
「まだいいわね」
「それをそんなことで偉い、恰好いいとかね」
「勘違いしたらね」
「それこそね」
まさにというのだ。
「最悪のだよ」
「勘違いよね」
「そうとしか思えないよ」
「本当にそうよね」
留奈も完全に同意して頷いた。
「偉くも何もないから」
「文句言うだけなんてね」
「それで何の努力もしないよね」
「学ぼうともしないでね」
「それで何が偉いか」
「全く成長しないしね」
「というかね」
考えつつだ、留奈は言った。
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