第百五十一話 お気に召すままその七
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「どうもね」
「そうなのね」
「うん、けれど英語でも古典は違うから」
今の英語とは、というのだ。
「難しくてそれで上演しても」
「わかってもらえなかったのね」
「そうだったんだって、それでその先輩も反省されて」
「わかりやすくってなったのね」
「こだわらなくなってね、ただ文化祭での評価はね」
それはというと。
「凄いことにチャレンジしたってね」
「シェークスピアの原語上演なんて」
「それで高くてその頃の生徒さん達もわかりにくかったけれど」
それでもというのだ。
「凄いことやったってね」
「高評価だったのね」
「お客さんも結構入ったそうだよ」
「そうなのね」
「失敗してもね」
「凄いことにチャレンジしたら」
「それならってね」
チャレンジ、そのこと自体がというのだ。
「評価してもらったんだ」
「失敗してもチャレンジね」
「うん、英会話部もその先輩も反省していても」
「チャンレンジすることはいいことって」
「なったらしいよ」
「トータルで見てよかったのかしら」
「多分ね、ただ何でもね」
ここで伊東はこんなことを言った。
「シェークスピアの作品って原語だと秘密があるらしいよ」
「秘密?」
「噂だけれど」
伊東は留奈にこう前置きして話した。
「錬金術の秘密がね」
「あるの」
「隠されてるらしいよ」
「そうなの」
「その時の挿絵にもね」
作品のそれにもというのだ。
「あるらしいよ」
「そうだったの」
「それでそれを解読して」
「解読した人いるの」
「その一人が大学の悪魔博士だよ」
「あの百歳越えてるっていう」
「何か日清戦争の頃からご存命っていうね」
そうしたというのだ。
「仙人かもって人だね」
「実際仙人かもね」
「そうだね、それであの博士がね」
その彼がというのだ。
「シェークスピアの謎をね」
「原語のそれを」
「そう言われてるらしいよ」
「そうなのね」
「これも噂だけれどね」
「噂にしても凄いわね」
「まああの博士他にも色々噂あるしね」
八条大学の教授である彼はというのだ。
「あらゆる博士業を持っていて世界の謎のかなりの部分を知っている」
「あの人の研究室異次元ともいうわね」
「そうした噂もあるし」
だからだというのだ。
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