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金木犀の許嫁
第四十四話 色々楽しんでその十三

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「日本語に片仮名でね」
「横文字で書いていても」
「漢字もやけに難しい熟語ばかりでね、造語だってね」
「使って」
「もう本当にわかりにくいけれど」
 それでもというのだ。
「解読しても中身はなかったりするのよ」
「そうなの」
「だからね」 
 それでというのだ。
「変な哲学書や思想書はね」
「読まないことね」
「そう、変に難しいだけの本は」
「専門知識があっても読めない様な」
「そうしたものは読まないで」 
 そうしてというのだ。
「わかりやすい本を読んだらいいのよ」
「そうしたらいいの」
「そう、それに難しい文章って実は案外簡単に書けるみたいよ」
「難しい漢字の熟語や横文字入れたら」
「それで勿体ぶって長々と書いたら」
 そうすればというのだ。
「もうそれでいいから」
「誰でも書けるの」
「コツさえわかればね」
 そうした文章を書くそれがというのだ、真昼は夜空に対してそのことを明るくかつ真剣に話すのだった。
「書けるの、それでね」
「勘違いもされるのね」
「凄いってね」
「そうなのね、けれど実は」
「そう、実はそんなものだから」
 難しい文章はというのだ。
「それでね」
「読まなくていいのね」
「そうよ、宮沢賢治なんかわかりやすいわね」
「凄くね」
 その主張がとだ、夜空は答えた。
「わかりやすいわ」
「だったら宮沢賢治を読んで」
「そうした哲学書や思想書は読まない」
「哲学書や思想書も簡単だったらいいのよ」
 読んでいてわかりやすいならというのだ。
「それならね」
「そうなのね」
「けれどね」
「けれど?」
「どうもね」
 これがというのだ。
「あまりね」
「ないのね」
「そう、普通に書いてる様な」
 そうしたというのだ。
「哲学書とかってね」
「ないのね」
「私が知ってる限りね」
「そうした文章なのね」
「そうなのよ」
「難しいのね」
「難しいイコールね」
 まさにというのだ。
「凄いって」
「勘違いした」
「そうしたね」
 まさにというのだ。
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