第四十話 決戦の時が迫りその七
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「しかしだ」
「その力は暴力じゃなくて」
「武力であるべきだ」
「守る力だね」
「武はどう書く」
桃井はこうも言った。
「知っているかではない、知っているな」
「うん、俺もね」
アラタはすぐに答えた。
「知っているよ」
「そうだな」
「矛を止めるだね」
「矛、即ち戦いを止めるだ」
「そうした力だね」
「そして武力はみだりには使わない」
「それは涜武だよね」
「そうなる」
まさにというのだ。
「悪いことだ」
「武力は戦いを止める力で」
「自分や大事なものを守る為の力だからな」
そうであるからだというのだ。
「無闇にはだ」
「使うものでなくて」
「使うべき時に使う」
「そうだよね」
「暴力は自分が思うままに振るうものだな」
アグリは腕を組み考える顔で話した。
「とんでもないものだな」
「そうよね、まして自分より腕力や立場が弱い人にそうしたら」
風花も言った。
「最低よね」
「全くだよな」
「暴力は駄目よ」
「絶対にな」
「だから俺は暴力は振るわない」
桃井は言い切った。
「嘘は吐かないでな」
「そういえばそうだな」
熱田は桃井の今の言葉に応えた。
「あんた自分より腕力や立場が弱くてもな」
「普通に接しているな」
「あんたの態度でな」
「俺は俺だ」
桃井はこうも言った。
「だからだ」
「その態度は変わらなくてか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「暴力も振るわない」
「誰に対してもだな」
「そんなことはしない」
「弱い奴をいたぶるのは下種だ」
スティンガーは暴力をこう言って否定した。
「これ以上はないまでにな」
「そうだよね」
佐久間はスティンガーのその言葉に頷いた。
「本当に」
「武力は違うな」
「例え相手が自分より強くても用いるね」
「そうした力でだ」
それでというのだ。
「その時は勇気が必要だな」
「負ける、傷付くし死ぬかも知れない」
「それでもだ」
そう思ってもというのだ、スティンガーは佐久間に対して自分達の過去の戦いのことも踏まえて話をした。
「戦わなくてはいけないならだ」
「勇気を振り絞って戦う」
「そうしたものであってだ」
それでというのだ。
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