第四十話 決戦の時が迫りその六
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「しかしだ」
「倒す必要はないわね」
「勝てばいい」
それでというのだ。
「それで充分だ」
「勝つことね」
「はっきり言えばスポーツだ」
五色田はこうも言った。
「今度の戦いはな」
「スポーツね」
「そうも言える、だからな」
「そのことも頭に入れて」
「そのうえで戦う」
そうするというのだ。
「今度の決戦はな」
「そうしましょう、じゃあ晩ご飯まで訓練ね」
ソノシか両腕のストレッチをはじめつつ話した。
「寝た分身体をほぐして」
「行うぞ」
「それじゃあね」
「訓練は激しいが」
桃井も言ってきた。
「だが注意はしても暴力は駄目だ」
「どんな厳しい訓練でもね」
「暴力が何になる」
鬼頭に強い声で述べた。
「一体」
「何にもならないわね」
「そうだ、暴力はただ勘定に任せるまま相手を傷付けるだけだ」
そうしたものに過ぎないというのだ。
「だからだ」
「振るったら駄目ね」
「絶対にな」
それこそというのだ。
「そんなことはしないことだ」
「戦いと暴力は違うんだよな」
レオも言ってきた。
「全くな」
「戦いで用いるのは武力だ」
桃井はレオにも答えた。
「そうであってだ」
「暴力じゃねえな」
「武力は理性で抑えた力だ」
そうしたものだというのだ。
「だからだ」
「それでか」
「感情も抑える、大切なものを守る為のものでだ」
「暴力はただ振るうだけか」
「それも自分より力が弱い相手にな」
「反撃出来ない相手にか」
「そうだ、振るうものでだ」
そうであってというのだ。
「絶対にだ」
「俺達は振るったらいけないな」
「まことに戦う者ならな」
「つまり俺達もか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうなる」
「そうなんだな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「間違っても自分より弱いといってもな」
「暴力は振るったらいけないな」
「それは間違っている」
桃井は言い切った。
「どんな理由があろうともだ」
「暴力は駄目だよ」
アラタも言った。
「何があっても」
「力は必要だ」
桃井はそれはいいとした。
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