フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十一話 特殊魔法の存在
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時間が経過し、大体あたり一帯のMobを狩り終えるとボソッと呟いた。夕食前にルシフェルと狩りに行ったところは湿地地帯だったため、カエル系のMobがわんさかいたのだが、こっちはこっちで竜系のMobばっかりであった。
「竜の谷って名前に偽りなしって感じだな」
愚痴ではなくこのフィールドの感想を素直に述べると、入手したアイテムを確認するためにメニューウインドウを開く。もちろん飛行状態ではなく地面に足をついて、だ。不用意に飛行していて滞空時間が過ぎてしまい、谷底に真っ逆さまなどというのはまっぴら御免こうむりたいのは誰だって一緒だろう。
「鱗とかはあんまり高く売れねぇだろうしなぁ・・・、空中戦闘に慣れはしたが・・・あんまいい収穫はなさそうだな・・・」
入手したアイテムが芳しくない状態にどうするか迷っているソレイユ。このまま狩り続けてもいいアイテムが出ないのなら時間の無駄であるし、一応サラマンダー領が近くにあるためここにサラマンダーが来ないとも限らない。だからこそ迷っている。このままここで竜狩りをしながらサラマンダーをも狩るのか、今日はもう引き上げるかを。
「どうすっかね・・・ん?」
どちらにするか決めかねていると、ふと気になる音が聞こえてきた。その音源を探るように耳を澄ませながら歩いていくと、人ひとりが入れるくらいの小さな洞窟、というよりも横穴があった。
「風が通ってるってことはこの奥に何かしらがあるんだよな・・・?」
考えても仕方がないのでソレイユは横穴に入っていく。進むにつれ、外から明かりが届かなくなり暗闇があたり一帯を支配するが、インプであるソレイユに暗闇はあってないようなものなので臆せず進んで行く。少しの間、狭い道のりを歩いていくと大きく開けた場所、いわゆる大空洞に出た。その大空洞の中を吹き抜ける風が、細い悲鳴のように響き渡り恐怖心煽る。
「よくできてるなぁ・・・」
しかし、そんなことお構いなしに辺りを見回しながら、ソレイユは奥へと進んで行く。ごつごつととがった岩が目立つが、Mobも出てこない洞窟だった。腑に落ちないような表情で道に沿って歩いていく。どうやら、洞窟は地下につながっているらしく、下り坂のようになってきた。さらにそれを下っていくと、空けたところに出た。円状に空いているその空間の中心部には何やら巨大な竜の巣らしきものがあり、その巣の中で宝箱を護るようにして寝ている竜がいた。
「・・・・・・テンプレだな、ってツッコめばいいのか?」
一人でごちっているソレイユだが、ここまで来て戻る選択肢はソレイユの中にはなかった。いざ、開けた空間に足を踏み入れると、案の定寝ていた竜は眼をさまし寝起きに大きな咆哮を上げた。
「まっ、期待外れじゃないことを祈るぜ・・・」
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