第八十三話 回廊ひのきしんその五十七
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何もなかったです、それでほっとしました。その私に新一君が言いました。
「禅宗は大変ですね」
「そうよ、そうした宗派なのよ」
「修行をする」
「それで学問というか」
「宗教のこともですね」
「勉強することもね」
このこともです。
「大事なのよ」
「そうですか」
「それで今お話させてもらってるけれど」
「禅宗にはそうした修行があって」
「おみちはまた別の宗教だから」
それで、です。
「そうしたことはね」
「ないんですね」
「そうよ」
こう新一君にお話しました。
「また別よ。ただね」
「ただ?」
「禅宗には禅宗の考えがあってね」
それで厳しい修行をしているとのことです。
「おみちにはおみちの考えがあるから」
「どっちが良くて7悪いかはないですね」
「そのことは絶対に覚えておいてね」
こう言いました。
「本当にね」
「大事なことですね」
「宗教は違ってもね」
「それぞれの考えがありますね」
「そうよ」
このことは覚えておかないといけません。
「そのうえでお付き合いもね」
「ありますか」
「他の国は知らないわよ」
私はこのことは断っておきました。
「けれど日本だとね」
「普通に他の宗教の人達とお付き合いありますか」
「そうなの」
こうお話しました。
「仏教とも神道ともね」
「キリスト教ともですか」
「あっ、キリスト教の人は少ないから」
日本ではです。
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