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夢幻水滸伝
第三百七十二話 自信のないジェネラルその十

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「やはりです」
「まずはですね」
「如何なる状況、能力でも」
「努力は必要ですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうなります」
「僕に限りませんね」
「そして必死に努力されているアマード様はです」
 彼はというと。
「非常にです」
「ご立派です」
 署長も言った。
「努力をされているだけで」
「そうですか」
「それもいつも必死にしておられるので」
「そうやとええですが」
「努力すればする程です」
 署長はさらに言った。
「人は磨かれますね」
「そう言われていますね」
「今お話してくれた人は努力をしてこなかったので」
 その結果というのだ。
「全く磨かれず」
「駄目になりましたね」
「生まれてから一度もですね」
「努力しませんでした」
 そうだったというのだ。
「まさに」
「それではです」
「磨かれず」
「宝石に例えますと」
「石のままですね」
「宝石は磨かれてなります」
 美しく輝く宝石になるというのだ。
「ですから磨かなくてはならず」
「人も然りですね」
「人生で何の努力もしなければ」
「これがまことに何もです」
 アマードはあらためてその人の話をした。
「学業もお仕事も家事もです」
「何もせず」
「そして人に食べさせてもらっているだけで」
「人ともですね」
「特に交わらず教会に行き奉仕もせず」 
 そうであってというのだ。
「まさに全くです」
「何も努力しないで」
「ただ自分はこの世で一番偉いと勘違いし」
「ふんぞり返っているだけだったのですね」
「それで何もなれず遂にはあまりにも人格と発言が酷く」
 そうであってというのだ。
「結果として誰からも見捨てられ」
「今は行方知れずですか」
「日本にいた方ですが」
「日本人と言えば勤勉ですが」
「中にはそうした人もいます、遠慮も感謝も反省もない人でした」
 そうしたこともなかったというのだ。
「誰かに何かすることも」
「なくて」
「そうなりました、全く以てどうにもならない人で」
「アマード様は反面教師にされていますね」
「そうしています、直接お会いしたことはないですが」 
 それでもというのだ。
「僕達の中では有名です」
「星の方の間でも」
「誰もが知っている」
 そうしたというのだ。
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