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金木犀の許嫁
第四十四話 色々楽しんでその八

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「ああ無情も」
「それ自体は楽しいの」
「ピンチに次ぐピンチで」
「乗り越えていって」
「敵役の警部さんにもいい場面があったりしてヒロインは可愛くて」
「コゼットさんね」
「そうだけれど」
 それでもというのだ。
「これがね」
「文章が暗くて」
「中々ね」
「読みにくいの」
「かなりね」
「そうなのね」
「本当にね」 
 これがというのだ。
「だから注意してね、それでデュマさんの作品も長いから」
「ダルタニャン物語は」
「あとどうも岩窟王もね」
 この作品もというのだ。
「長いみたいよ」
「そっちもデュマさんの作品よね」
「そうだけれどね」
「長いのね」
「兎に角ね」
「お二人の作品は長いの」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「だから読むにはね」
「そこは覚悟ね」
「腰を据えて」
 そのうえでというのだ。
「読んでね」
「わかったわ」
 夜空もそれならと頷いた。
「そうして読むわ」
「そうしてね」
「まあ日本でもね」
 自分達の国もというのだ。
「物凄く長い長編小説多いけれどね」
「源氏物語よね」
「平家物語もね」
 こちらもというのだ。
「長いしね」
「そうよね」
「太平記もね」
 この作品もというのだ。
「長いしね」
「日本も長い作品多いわね」
「だからね」
 それでというのだ。
「長編のことはね」
「日本もそうね」
「ええ、だから長編はどの国にもあって」
「そういう作品読もうと思ったら」
「覚悟を決めて」
 長いということをというのだ。
「そのうえでね」
「読むことね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「夜空ちゃんも白華ちゃんもね」
「わかったわ」
「わかりました」
 二人もそれならと応えた。
「そうします」
「そうした作品読む時は」
「ペースがあるから」
 それがというのだ。
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