第百一話 齟齬
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り上げるのは難しくはありません」
「済まないな」
「…増援を送ると決まった訳ではありませんが、宜しいですか?」
「…ああ。俺達が向かっているとなればそれだけ敵は分散する。違うか?」
「そうですね」
作戦予定を繰り上げる事は出来ても、戦力配分まで変更する事は出来ない。それでもアッテンさんは安心した様だった。しかし…十万隻の増援か。帝国軍はオーディンに二個ないし三個艦隊を残して増援を繰り出した事になる。まだ皇帝は死んでいない筈だけど…そんな大事があればフェザーンのバグダッシュが伝えてくる筈だし、ミュッケンベルガーだってのほほんとフェザーンに行く訳がない。それとも、大兵力の統率を任せられる指揮官が居るのか…可能性があるとすればメルカッツだけど、ミュッケンベルガーはメルカッツを軍人として信用はしても、大兵力の指揮官としては信頼していない筈だ。まさかラインハルトの指揮下の兵力なのか?うーん…ヤンさん自身は敵状の報告だけで援軍は求めてはいない。こっちの作戦の支障にならない様に、という配慮なのかもしれない。でも必要なら援軍を求めるだろうし…。原作との乖離が大きくなりすぎて、読めない事が増えてきた。まあ、俺のせいなんだけど…。
7月8日14:00
アムリッツァ星系カイタル、自由惑星同盟軍カイタル基地、アムリッツァ方面軍司令部作戦室、
ヤン・ウェンリー
ボーデン、フォルゲン両宙域共に、戦闘は発生していない。下手に殴りかかって殴り返されない為だが、今のところ帝国軍にもその気はない様だ。
「閣下、第十一艦隊のピアーズ提督よりFTLです」
グリーンヒル大尉の報告と共に、管制卓のモニターにピアーズ提督の姿が映し出された。
“お忙しい所申し訳ありません”
「そちらよりは忙しくはありませんよ。何かありましたか」
“会敵当初は追撃を受けていたのですが、帝国艦隊はボーデン星系で停止しております。まあこれはそちらの司令部でも確認出来ていると思いますが”
「ええ。敵の一個艦隊規模の増援も、前進を止めている様ですね」
“はい。ですが、敵の動きが妙でした”
「妙…と仰いますと?」
“後から現れた増援の一個艦隊は我々への警戒…というよりは、味方の艦隊を牽制している様な動きを見せています”
これは概略図からは読み取れない情報だった。ピアーズ提督との通信で同時に転送されてきた概略図には、アムリッツァ外縁に位置する第十一艦隊と正対する形でボーデン宙域中心部…ボーデン星系で停止している二つの帝国艦隊が映し出されているだけだ。概略図の示す範囲が広く、それ以上の事は分からない。
「此方への攻撃の意思はない、という事でしょうか?」
”少なくとも帝国艦隊による示威や偵察行動等も確認されておりません。如何いたしましょ
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