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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
紆余曲折あって、あたしは討伐隊に入る
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都にある守護局という場所に勤務していたのだという。
守護局とは、世界が崩壊し現在京都には妖が蔓延るようになり、それらから一般市民を守るために作られた組織だ。
サーヴァントや元警官などが集まってできた組織であり、言ってしまえば自警団だ。
そしてその京都を襲った悲劇は、大和さんから聞いている。
蘆屋道満の企みにより妖が都へなだれ込み、甚大な被害を受けたと。
彼は、その被害者なのだ。
「妻を奪い、子を奪い、何もかもを奪われました。私だけが運良く助かってしまったのです。ならばこの命、奴等の首を取るためならば喜んで捧げましょうと…!!」
「山口さん。もういいですって。」
と、力強く握られる手と比例するように語りに熱の入る信彦さんだが、賢士が肩を叩いて止めに入る。
「葵がどう反応したらいいのかわかんない顔してる。それに、復讐のために命を投げ出すのは良くないってこの前も言いましたよね?」
「…すみません…あの外道の話となるとつい…。」
落ち着きを取り戻し、静かになる信彦さん。
「サーヴァントは持ち合わせていませんが、役立たずとは言わせません。奴等を殺すために、必ず役に立ちましょう。」
最後にそう言い、「とりあえず外の空気でも吸って来てくださいよ」と賢士に勧められ出ていった。
「で…あとは…」
徐福、春夏冬さん。
そして信彦さんと。
やってきたのは彼らだけでは無い。
後ろには何やら複数人控えている。
そうしてその集まりから代表者のような男がやって来て、あたしに名刺を渡した。
「俺達、こういうものでして…。」
「…?」
名刺を渡され、見る。
その時あたしはあまりにも不機嫌な表情をしたんだろう。
相手は苦虫を噛んだような、ここにいるのが気まずそうな顔をした。
だって、
「心霊系動画配信者…『御子柴倶楽部』…?」
ここには場違いかつ、あたしにとっては悪い印象しかないいわゆる動画投稿者≠ニ書かれていたからだ。
「何?」
「そ、そんな怖い顔なさらないで…私達、あなたが会ってきたような人達とは違いますから…!」
「余計に怪しいんだけど…。」
と、腰の低い若めの男性が怪しいものでは無いと言うも、やはり怪しさというか胡散臭さは拭いきれない。
「CH-Z…ですよね。あなたが動画投稿者に対してそこまで用心する原因は…。」
という若者。
『御子柴倶楽部』という名前なのだからおそらく彼は御子柴という名前なのだろう。
そうして御子柴は説明を始める。
「俺達も同業者として、あいつらには迷惑被ってます。あいつらのせいで、動画投稿者ってだけでものすごく嫌な顔されますし…。」
「…。」
そういうも、やはり安心はできない。
CH-Zのせい。
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