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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
紆余曲折あって、あたしは討伐隊に入る
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創造、操作が十八番のアヴィケブロンといえど、そんな莫大な数のゴーレムを一度に使役するのは魔力量がバカにはならないハズ。

「まぁ魔力量は彼女の助けがあってこそだ。彼女らが来なければ、このローラー作戦は実行できなかった。」
「彼女ら?」

その疑問は、また別の人物が答える。

「じゃ、そこは私が説明しますんでー。」

アヴィケブロンの隣にやって来たのは面識のない女性のサーヴァント。

「なんかこう、特別なお薬でブワーッとパワーアップさせました。」
「説明になってないって。」

人形を大事そうに抱えているサーヴァントはだるそうにそう言うと、マスターらしき男性がつっこむ。
そうして彼が改めて説明を付け足した。

「あのーあれね。特別に調合した薬で魔力を増強させて、ゴーレム作りは俺らも少し手伝ったんだ。もちろん薬は違法じゃないやつ。合法ね、合法。」

そんな彼のサーヴァントは徐福。
成程、彼女に薬を作らせたのだろう。

「まーお給料は成果に応じて上げてくれるって言ってたんで。それなりに頑張った所存です。」
「はいはいよしよし。」

マスターであろう男性にぽんぽんと頭を撫でられる徐福。
そうして彼はあたしの方へ向き直ると、申し訳なさそうに自己紹介した。

「それと自己紹介が遅れて申し訳ない。俺は春夏冬 秋(あきない とき)。徐福ちゃんと一緒に薬を売り歩きながら旅してる。気軽におじさんって呼んでくれ。」
「はぁ…。」

と、徐福のマスターである秋さんは自らをおじさん′トぶように言うも、そのようには見えない若々しい見た目だ。

「源 葵、だったよな。宮本から話は聞いてるよ。ヨロシク。」

そうして右手をさしのべられ、あたしはそれを握り返して握手をする。

それと、

「では私も、ここで自己紹介をさせていただいてよろしいでしょうか?」

前に出てきたのは中年の男性。
片目には眼帯。のこされた片方の目にはあまりにも凄味を感じる男性だ。
さらに顔には斜めに傷が走っており、過去に何かあったのだろうというのは推測できた。

「蘆屋道満、森川真誉の二人を討伐すると聞きやって来ました。山口 信彦(やまぐち のぶひこ)といいます。」
「あ、あぁ…どうも。」

彼の持つ気迫みたいなものに多少動揺しつつも、伸ばされた傷だらけの手と握手を交わした。

「…やはり、目を引きますかな。」

傷だらけの手…人差し指と中指の欠損したその手をジロジロ見過ぎていたんだろう。
信彦さんはそう言った。

「あ、あぁいえ…そんなことはなく…。」
「彼らに…いや、彼らが放った妖にやられたものです。同時に妻と子も失いました。」
「……。」

後から聞いたけどこの山口 信彦という男性、元は京
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