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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
紆余曲折あって、あたしは討伐隊に入る
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「何か、あったの…?」
「いろいろ。」
舞が心配そうな面持ちで覗き込んでくる。
「……知らない自分がさ、」
「?」
「ううん、知ってるんだけど…自分とは全く別の何かが自分の中にいたら、舞はどうする?」
「別の……何か?」
二重人格。
他の人には共感されて貰えないであろう、自分特有の悩み。
それを何となくぼかして舞にそう尋ねる。
「別の何かはさ、抑え付けられないで欲望のままに生きる。でも自分自身は生活していく上でそうするわけにはいかないから欲を抑え込んで生きてる。」
「…?」
首を傾げる舞。
何を言っているのか分からない。ってことはあたし自身でもよく分かってる。
でも、よく分からない。
なんで舞にこんなこと話したのか。
いや、誰でもいいから聞いて欲しかったんだろう。
誰にも吐けない悩みを。
近しい人間、もしくは香子でもない、第三者に。
「ありのままに生きるのと、我慢して生きる。それってさ、どっちが自分らしいと思う?」
「……。」
何を聞いているんだろう
話を聞いてもらうだけじゃなくて、彼に何か言ってもらいたいんだ。
どっちが正しいか、
どっちがあたしなのか、
どっちが……本当の源 葵≠ネのか。
「…わかんないや。」
申し訳なさそうに、舞はそう答えた。
「ごめん…変な質問して。」
「…でもね、」
謝り、この話は早々に切り上げようと思った。
しかしここで舞の話は終わっていないらしく、まだ話を続ける
「別の自分とか…よくわかんないけど…それも自分≠ナしょ?」
「……。」
「ほら、人間ってさ、色んな面を持つでしょ?甘えたがったり、意地張っちゃったり、無駄にカッコつけちゃったり。」
「……もしかして探偵さんのこと言ってる?」
「……た、例えの話だよ。」
探偵さんみたいに人によってコロコロ態度を変えるのも、全て自分自身だ。
人が持つ側面は1つじゃないし外と内は全く違う面を持つ人もいる。
そういうのはペルソナ≠チていうって、本で読んだことはある。
「その葵ちゃんが言ってる、欲望のままに生きてるのも、我慢してるのも。自分の中に存在してるんならどっちも自分だよ。」
「…どっちも自分、ね。」
あたしも葵、そして
菫
(
あいつ
)
も葵。
彼は、そう言いたいんだろうか?
「こんなの違う、自分じゃない。って自分の側面を拒絶しちゃうのは良くないと思うんだ。これも自分、あれも自分。全て自分なんだって受け入れるのが大事なんじゃないかなって、僕は思うよ。」
「……。」
「って、僕みたいな人が言えたことじゃないかもだけどね…。」
拒絶じゃなく、受け入れる。
そんなことをするのはとてつもなく大変なことなのは分かってる。
そ
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