暁 〜小説投稿サイト〜
ああっ女神さまっ After 森里愛鈴
Chapter.003 母親
[12/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
お幸せにね」
 再び礼を告げて駐車場に出る螢一。
 胸のあたりから軽快な電子音。スマートフォンを取り出すと発信者の名前を見て驚いた。
「げ、桂馬さん」
 ともかく出ないわけにはいかないので通話をタップする。
『恵から聞いたぞ』
「あ、えーと」
『いろいろと話したいことがあるんだが、俺は急な仕事でそっちには行けない』
 ほっと胸をなでおろす螢一だが、次の一言で凍りついた。
『だから、鷹乃が向かう。明日の昼頃には着けるだろう、覚悟しておけ。ああ、それとな「男ならいくつになっても胸の奥底に大きな絵を掲げておけ」以上だ』
 一方的に通話を切られて呆然とする螢一であった。
「大きな絵ってなんだ?」
 ともかくいつまでもこうしてはいられないので、愛車に跨り家路についた。
 愛車をガレージに着けると、ベルダンディーが飛びかからんばかりの勢いで抱きついてきた。
「螢一さん!!」
「え、わ!?」
「もう、心配したんですよ。こんな時間まで何をしていたのですか」
「こんな時間てまだ、え!?」
 腕のコスモノートを確認すると午前零時を過ぎていた。
「は? なんでこんな時間に……」
 ウルドは少々憤りを感じさせる口調で。
「あんなふうに飛び出して行ったじゃない? 心配してこの娘、あんたの気を探っていたのよ。そしたらまるまる二時間分気が探れなくなっちゃって、なだめるのに苦労したんだから」
「何処にと言われても……ポレポレで裕介さんに相談をして」
「ほんとにそれだけなの?」
「間違いないよ」
 考え込むウルド。
 さきにベルダンディーが動いた。
「ごめんなさい、少しだけ螢一さんの記憶を見せてくださいね」
 自分の額を螢一の額によせてくっつけた。
 ベルダンディーはこうすることで相手の記憶を読み取ることが出来る。ただし、ごく表層の記憶だけなのだが。
「二時間分、きれいに記憶が消されています。あと、この波長は……魔属!? もう一つ、神属の波長もします、でもこの波長は」
「感じたことのない波長よね。だけどベルダンディーの波長にすごく似てる──何があったの?」
「──覚えてませんけど」
 そうよね、とウルド。
 とにかく無事で良かったです。ベルダンディーは腕にすこし力をいれた。
「ほんとうに、本当に心配したんですよ」
「うん……ごめん。ありがとう」
 ウルドの「とにかく今日はもう寝ましょう」の言葉に、一同、この日は就寝についた。

 この「消された二時間」についてもあとで Chapter を立てて語るとしよう。

 翌朝。
 螢一の部屋。
「あなた、あなた。起きて下さい」
「あ……ベル。おはよう」
「珍しいですね、こんな時間まで寝ているなんて」
「え、今何時?」
「九時過ぎてますよ」
 螢一はどんなに
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ