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ああっ女神さまっ After 森里愛鈴
Chapter.002 覚醒
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ー。
「かまどで炊くごはんって美味しいんですよ」
「認めますが、最新式の炊飯器も負けてはいませんよ。包丁を見せていただけますか?」
 メイプルは三徳包丁を受け取ると。
「よく磨き込まれていますね。螢一さんへの愛を感じます」
 ベルダンディーは何やら考え込んでいるメイプルに不審そうな顔をしている。
 やがてメイプルは。
「わかりました。これは私からのプレゼントです」
 天に掲げた右手の平から閃光と共に法術が解き放たれた。
 光が晴れると炊事場は「キッチン」に様変わりしていた。明るい照明が照らし出す銀色のシンク。水道はお湯と水が混じりあって出てくる形に。電子レンジと以前よりも大きくなった冷蔵庫。炊飯器。ガスコンロの上にはレンジフード。シンクの下には収納のスペースがいっぱいで、まぎれて食器乾燥機などもある。古ぼけていた食器戸棚も以前より大きくなっていた。なにからなにまで新品だった。
「まあ……これは」
「素晴らしいでしょう。地上界の時間で最新式のものばかりですよ」
 誇らしげなメイプルに、ベルダンディーは困ったような微笑みをむけた。
「これでは私が何が何処にあるかわかりません。あと、このお家は和尚さんから借り受けているものですよ」
「場所は今から二人で料理しますからすぐに覚えられるでしょう。それとこの屋敷を和尚さんに返却することは起こり得ないと断言します」
「……!! なぜですか?」
「時が来ればわかります、ではお料理をはじめましょうか」
 重力遮断フィールドで空中に浮かせた大きなトレイの上に、誕生日ケーキとその他様々な料理が並べてあった。
「完成しました。ありがとうございます、メイプルさま」
「で、キッチンの使い心地はどうですか?」
「このキッチンなら螢一さんに、以前よりももっともっと美味しいごはんが作れます」
「気に入っていただけたようで何よりです」
「では、本堂に運びましょう」
 お食事が出来ましたよ。
 本堂の扉を開いたベルダンディーは、驚きの声をあげた。
 正面の扉以外は紅白の垂れ幕がかかり、床には巨大な欧風の絨毯が敷き詰められていた。天上からはシャンデリアが下がっていて、内部をこれでもかぐらいに明るく照らしていた。丈は低いが大きな座卓と、周りを囲んでコの字を描くように座布団。極めつけは寺の本尊が鼻眼鏡をかけていることだ。
 さらに、リンドがペイオースと瓜二つの衣装を身にまとっている。
「地上界に降りる途中でペイオースと話をしたのだ。戻ってきたら私がペイオースの衣装を身に着けようとね。──それで、どうだろうか?螢一くん」
「いや、それはその」
 ペイオースほどに胸は大きくないが、腰もしっかりくびれていて、ヒップラインもキレイで足も長い。
「悪くはないと思うけど、やっぱりリンドにはいつもの白い戦衣
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