第八十三話 回廊ひのきしんその五十六
[8]前話 [2]次話
「いいことをしていってよ」
「癖性分もあらためるんですね」
「そうしていったらいいわ」
「そうですか」
「出来ること、好きなことからはじめていって」
「なおしていくんですね」
「そうしていってね」
「おみちって厳しい修行とかしないですね」
ここで新一君はこんなことを言いました。
「別に」
「禅宗のお寺みたいに?」
私は厳しい修行と聞いてすぐにそちらを思い出しました。
「密教もだけれど」
「詳しいですね」
「お家が教会だから」
天理教のです。
「他の宗教の人ともお付き合いあるから」
「先輩もご存知なんですね」
「ええ、それでね」
新一君にさらにお話しました。
「そうした宗派では厳しいって言われる修行もしてるって知ってるわ」
「あれ凄いですよね」
「そうね、けれどね」
「おみちはですね」
「特にそうしたことないわ」
修行というか伏せ込みがあります、ただそれは日常のことです。
「だから安心してね」
「滝に打たれたりとかですね」
「座禅とかもないから」
「ああいうのって辛いイメージがありますね」
「そういうのはないから」
ここで、でした。
西の礼拝堂の前に来たので手を合わせて頭を下げました、そして。
新一君を見ました、何しろです。
この西の礼拝堂の前こそ新一君が長池先輩にあれこれ言う理由の一つだからです、それで注意して見たのですが。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ