長、来たる
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位になったら本格的にー教えていく事としよう。」
「幹部会での話しはよう御座いますが、若様の修行が七歳からとはいささか早くありませぬか?普通は十歳前後で始める者が多いですよ、せめて基本的な修行の開始にすればよろしいのでは?」
本格的な修行開始時期は、一族や家によってまちまちではあるが関西における基本的な時期が十歳位と言う場合が多い。修行開始迄は子供らしく遊び,健康的に成長させて行く事が多い。また他者の話しを聞ける様になる事や身体的な成長等を考慮すると十歳前後が望ましいとされいるからである。
しかし本格的な開始時期の話しで有り、それまでに基本的な魔力の扱い方を親族や遊びの中から習得しておき十歳に本格的な呪術や武術を学ぶと言う場合が多い。
「確かに早いかもしれぬな。しかし出産時に行った様な魔力コントロールが、確かなら七歳からでも問題あるまいて…それに‘不条理’に抗う力を得る事がアイツの為でもある。」
「……確かにその通りで御座いますな、分かりました。我等もそのつもりで若君に接していきます。」
哲心の言った‘不条理’と言うのが、先程まで自分達が心配していた事と同義であると察した二人はそれ以上聞く事もなく哲心に同意した。
産まれてきたばかりの息子に、重荷を背負わせてしまう事を哲心は何よりも悔やんでいたが一族の当主である責任を果たさなければならなかった。個人の事では無く組織・一族を第一に考えるべきと…親として非情な決断をした哲心に二人は何も言えなかった。
「ああ、頼むぞ。二人とも…」
二人の同意を得た哲心は再び立ち上がり去って行った。
残された二人は哲心が見えなくなるまで頭を下げて見送ったのであった。
ーーーーーー
翌日
多くの者は二日酔いであったにも関わらず、休む事なく粛々と片付けや担当の業務を行っていた。
その中でもイツ花を始めとした女中達が忙しなく働いていた。
「イツ花様、仙台の真宮寺様、東京の藤堂さま、沖縄の隼人様よりお祝いの品が届きました。」
「イツ花様、此方にいらっしゃったのですね…関西呪術協会の幹部の方々からもお祝いの品が多く届いております。」
「イツ花さまぁ〜、京都及び関西地方の有力者の方々からもお祝いの品や花束が届きました。」
「使者の方には呉々も粗相の無いように!…あと受け取った者は仮目録に記入を!
あと冷蔵,冷凍が必要なものはキチンと運んで下さい!!………あゝもう忙しいですね!!」
その中、御陵の若様誕生の知らせは関西呪術協会に届き更には全国の支部にまで届いていており全国から贈答品や花束などが贈られてきた。その為、女中たちとりわけイツ花は多忙を極めていた。
「イツ花様!」
「はい!ただいま!!」
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