第十幕その十三
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「こうして僕達もね」
「おられて」
「そうしていてね」
「優しい雰囲気に包まれて」
「心が癒されるよ」
「そうなるんですね」
「そうだよ」
笑顔で言うのでした。
「心からね」
「そうなのですね」
「人は苦難に打ち勝つと」
そうすると、というのです。
「その分素晴らしいものを手に入れるんだ」
「そうなのですね」
「オズの国では楽しいことをして手に入れるけれど」
「外の世界ではですね」
「時としてね」
サリバン先生に穏やかな声でお話します。
「苦難もあるよ、苦難は受けるとね」
「大変ですね」
「ヘレンさんもそうだったね」
「そうでした」
サリバン先生はその通りだと答えました。
「それがどれだけ大変だったか」
「サリバン先生も知っているね」
「ずっと傍にいましたので」
だからだというのです。
「そのつもりです」
「そのつもりじゃなくてまさにね」
「誰よりもわかっていたと」
「思うよ、苦難はね」
それはというのです。
「外の世界にはあるよ」
「楽しいことだけでなく」
「オズの国は楽しいけれど危機一髪な」
「そうしたことはありますね」
「僕達もどれだけ経験してきたか」
あと少しでどうなっていたことか、かかしはドロシーと出会ってから自分達に起こった様々な出来事を思い出しつつ言いました。
「その中でね」
「経験を積まれましたね」
「そしてヘレンさんもだよ」
「苦難に打ち勝って」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「とても優しい人になったんだ」
「そうなのですね」
「うん、それでお家もね」
今自分達がいるこの場所もというのです。
「とてもね」
「優しい雰囲気に包まれていますね」
「そうだよ、ではね」
「それではですね」
「今はね」
「この雰囲気をですね」
「心から楽しんでいいかな」
サリバン先生に優しい笑顔で言いました。
「そうしていいかな」
「どうぞ」
ヘレンさんが優しい笑顔で答えました。
「皆さんが望まれるだけ」
「それではね」
「そうされて下さい」
こうお話してでした。
皆はヘレンさんのお家の中をこの人が出しているとても優しい雰囲気の中で案内してもらいました、そうしてでした。
出発の時が来るとヘレンさん達にお別れを告げました、その時はもう歴訪が終わっていたのでエメラルドの都に戻ったのでした。
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