第三十九話 首里城にてその九
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「そうでしょ」
「イルカか」
「ええ、別に怖くないわよ」
風花は自分の兄に釣りを続けつつ話した。
「イルカならね」
「襲ったりしないしな」
「釣りの邪魔もしないしね」
「それならいいか」
「別にね」
「そういえばこの辺り海蛇がいやすね」
タキガワはこの生きもののことを思い出した。
「そうですよね」
「エラブウミヘビですね」
「何でも毒があるとか」
「海蛇の毒は強いです」
百地はきっぱりとした口調で話した。
「噛まれると死ぬとです」
「思っていいでやすか」
「ですがエラブウミヘビは非常に大人しいので」
そうした性格だからだというのだ。
「噛まれたお話はありません」
「大人しいでやんすか」
「はい、ですから」
「心配しなくていいですか」
「海に入っても釣り上げても」
「そうなんですね」
「はい、これといって」
こう言うのだった。
「安心して下さい」
「それならいいでやんすよ」
「そういえば沖縄ってハブがいるけれど」
松尾はこの蛇のことを話した。
「あれは危ないよね」
「危険です」
百地はハブについても答えた。
「非常に」
「やっぱりそうだね」
「気性も荒いので」
「すぐに噛んでくるんだ」
「蝮やヤマカガシよりもです」
こうした蛇達よりもというのだ。
「危険です」
「じゃあ近寄らないで」
「はい」
そうしてというのだ。
「刺激しないことです」
「ハブについてはだね」
「噛まれますと血清がありますが」
薬がというのだ。
「やはりです」
「最初から噛まれないことだね」
「それが一番です」
こうした話をしながらだった。
ニンニンジャーの六人は釣りを楽しんでいた、ヨドンナがいるヨットを前にしてもそうした。そしてであった。
ヨットにいるヨドンナはくつろぎつつ言った。
「いいね」
「訓練の合間にはな」
「うん、こうしてね」
共にいるシードンに応えた。
「くつろぐのがね」
「いいな」
「泳ぐのもいいけれど」
「お前がビーチに出るとな」
「水着になるとね」
そうすると、というのだ。
「男達が寄って来るから」
「大変だな」
「そうなるからね」
それでというのだ。
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