第十八話〜白騎士〜
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来る。』
自分の意識に介入するように新しい声が響く。
ライ(…敵を…滅ぼさないと……)
フェイト『もうそんな悲しい目をしないで。苦しければ正直に言ってもいいんだよ。』
響いてくる声は優しい言葉を紡いでいく。
ライ(守らないと…)
そして自身の体に走る鋭い痛みでライは意識をハッキリさせた。
ティアナ「きゃあ!」
ライの負傷により頭に血が上ったティアナはランスロットと戦闘していた。だがティアナ一人では敵うはずもなく追い詰められていた。
尻餅をついた彼女はすぐに立ち上がろうと顔を上げる。だがそこには手にした剣を振りかぶる白騎士の姿があった。
ティアナ「あっ…」
それを見たティアナは恐怖し、目を瞑る。そして数秒の後、自分に暖かい液体が掛かる感触があった。
ティアナ(私、死ぬんだ。)
その液体が自分の血だと思ったティアナはどこか他人事のようにそう思った。
ティアナ「………?」
しかしいつまで経っても痛みを感じない事に疑問を覚え、目を開ける。
そして彼女の視界に映ったのは血を流しながらもランスロットの剣を受け止めているライであった。
ティアナ「ライ…さん?」
ティアナの言葉には返事をせずにライは動いた。蒼月の刀身を少し引き先ほど入れた罅に斬撃を入れる。その結果、罅が大きくなりその剣は折れた。
剣を折られ一度距離をとるランスロット。すぐにもう一本の剣を取り出そうとする。
それを眺めつつライがティアナの方を一瞥し言葉をかける。
ライ「スターズ4、これからクロスミラージュにあの機体のAMFについてのデータを送る。そのデータを持ってホテルの前面の部隊に合流。隊長陣の誰かを応援で呼んで来てくれ。」
ライが早口で指示を出す。
ティアナはそんなライを見て青ざめていた。ライのバリアジャケットは前面が破れ、その奥から溢れ出すように血が流れている。そしてライの表情は苦悶を滲ませ、その銀髪は自らの血で赤く染まっている。自分にかかったのはあれであると彼女は理解する。
彼女は武装隊の一員ではあるが、非殺傷設定の存在であまり血に慣れていなかった。
彼女が呆然としている中手元のクロスミラージュが光る。
ライ「データの転送が終わった。行って。」
ティアナ「えっ…あぅ…」
ライ「早く!」
呆ける彼女に怒鳴りつける。肩を一瞬大きく震わせ立ち上がりティアナは駆け出す。
ライは蒼月を握り直しランスロットを見据える。
ライ「蒼月…僕の体の状況は?」
蒼月「右胸に致命傷。現在、傷の手当てに魔力を大幅にまわしています。」
ライ「両腕と両足は?」
蒼月「軽傷。深刻なダメージではありません。」
ライ「……
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