暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
第十八話〜白騎士〜
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走る速度をさらに上げた。



ホテル・アグスタ裏側


ホテルの裏側。そこにあるのは正面の煌びやかさとは違い、暗いイメージを抱かせるような場所であった。そんな場所に現在立っている人物が一人。スターズ4、ティアナである。
ライからのノイズ混じりの通信が途切れたことで落ち込んでいた意識が若干なりを潜め、今は警戒心が戻っている。

ティアナ「クロスミラージュ、誰かと通信できない?」

クロスミラージュ「高濃度のAMFが展開されているため現状では不可能です。」

ティアナ「…」

現在彼女の心に渦巻いているのは不安という名の恐怖であった。いつもの彼女であれば冷静に判断を下し何らかの行動に移っていたかもしれない。しかし自分が何かの判断を下そうとすると、先ほどのミスが頭を過ぎる。
「本当にこの判断は正しいのか?」
「自分はまた失敗をするのではないか?」
「次は誰を傷つけるのか?」
そんな考えに至ってしまい、その結果彼女は何も出来ないでいた。

ティアナ「………ァッ、ハァハァ」

不安と焦りから自然と息が上がる。
そんな中いきなり背後にしていたホテル側から甲高い金属音が響いた。

ティアナ「ッ!」

咄嗟に両手のクロスミラージュを音のした方に向ける。だがそこにあったのはゴミとして集められていた空き缶の一つが転がっているだけの風景。それを見て一瞬安堵しそうになるティアナ。
それが命取りであった。

ライ「ティアナ!下がれ!」

ティアナ「え?」

突然かけられた怒声に呆けた声を出しライを見るティアナ。ティアナの目に映るのは焦った様子でこちらにかけてくるライの姿。
だがライの目に映るのはティアナだけではない。ライの目に写っているのは呆けているティアナと、手に持った剣を振りかぶりティアナに切りかかろうとしていた白いナイトメアフレーム。ランスロットであった。

ライ「アクセル!」

ライは反射的に叫びティアナとランスロットの間に割り込み、斬撃を蒼月で受け止める。辺りに金属同士が擦れる擦過音が響く。ライの背後でティアナが状況を把握し何かを言っているが聞き取る余裕がライにはなかった。
蒼月の刀身とランスロットが持つ剣の刀身が接触している箇所を見る。蒼月の刀身はMVSのおかげでランスロットの剣に食い込んでいるが途中で止まっていた。そこでライは気付いた。フィールド型のAMFを展開していたのはランスロットではなくホテルの正面に現れた増援の方であると。
MVSが刀身に食い込んだ瞬間、MVSの出力が落ちた。それは剣にAMFが展開されている証拠である。これまでの敵機のデータから収束型とフィールド型のAMFを同時に展開するのはエネルギーの問題で不可能であると判明している。その為、ライは
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