第十八話〜白騎士〜
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ホテル・アグスタ
ライは裏手の警護に回るために移動していた。移動中、先ほどの戦闘の簡易データを蒼月に報告しておらいながらである。
全ての情報を聞いた後、ライは映像を呼び出す。その映像に写っているのは召喚魔法でガジェットを送り込まれた瞬間の映像。ライが注目したのはその魔法陣である。その魔法陣に彼には見覚えがあった。
ライ(さっきの召喚魔法……ルーがここにいるのか?)
それはライがこの世界で初めて見た魔法。自分にとっては信じていたい一人の少女の姿が彼の頭に過ぎる。
ライ「…蒼月、センサーの感度を上げて周辺の警戒を。」
思考の海に沈みかけていたが、作戦中であることを思い出し蒼月に指示を出す。
ファントム「イエス マイ ロード」
自分の相棒から帰ってきた言葉を聞き気持ちを切り替える。そして少し遅くなっていた歩調を早める。すると前方から合流しようとした内の一人が歩いてきた。向こうも気がつき小走りでライに近づいてきた。
スバル「ライさん。」
ライ「スバル。ティアナと一緒のはずじゃ…」
スバル「えー…と、周辺のチェックが終わったのでその報告を…。その間はティアに警備をお願いして…」
何かをごまかすような口調のスバルを見て、ライは先ほどのエリオ達の反応を思い出す。いつも明るい雰囲気を持ち、部隊内のムードメーカーであるスバルが目に見えて暗い雰囲気を纏っていたため流石にライも気になった。「ほんの数十分の内に一体何があったのか。」と、ライは疑問に思う。しかしいくら考えたところでその答えが出る筈がない。先ほどの報告にも『スターズF、後方待機』としか残されておらずその詳細までは分からなかった。だから彼は素直に聞くことにした。
ライ「…何かあったのか?」
スバル「えっ、いや、その………」
スバルは事実を口にするかどうか迷っていた。自分はティアナにさっきのミスを悔いてほしくないために彼女に「気にするな」と言った。それは間違いなく本心である。しかしそれを簡単に他人に話していいものではないことはスバルにもわかっていた。
それにティアナのパートナーは自分である事に少なからずスバルも誇りに思っている。だからこの問題も自分たちで解決したかったのだ。
ここでライに話すことは簡単である。そして「ティアナのことを頼みます」と言えればそれはどれだけ気が楽かと考えてしまう。だがそれは彼女のパートナーであるスバルにとっては裏切りになると思いその考えを否定する。
スバルが黙り込んでいるのを見かねたライは声をかけようとするがその前に別の声が割り込んだ。
蒼月「警告。こちらに接近する熱源多数。」
ライ・スバル「!」
蒼月「ホテルの正面側に機影9、背面側に機影1」
ライ「機種は?
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