第33話:真実との遭遇
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せ!それでも武人か!?」
直後に、セインがツキツバの首めがけて剣を振る。
「もういいよ、死ねよツキツバ!死んで僕の邪魔をした事を詫びろ!」
地面を強く蹴って飛び出したセインは、斜め上から剣を振り下ろそうとした。
が、ツキツバが拳をおもいっきり奴の顔面にめり込ませる。
「ぬるい!なんだその太刀筋は!?もっと真面目にやれ!」
「と言うか……この様だとお前では私は殺せない」
「馬鹿にしやがってっ!!」
その後、わめくセインを無視したツキツバは、セインが連れていた女性達の方を向き、
「それと……いつまで化けの皮を被っている?」
……は?
ノノ・メイタperspective
「ぐおぉーーーーー!?」
物凄い寒気で目を覚ましました。
それを見たセツナが悲し気に僕を見ていました。
「目を覚ますのが……ちょっとばかり早かったんじゃないのか……」
「どう言うこ……」
ツキツバさんの前にいたのは、黒いドレスに身を包んで禍々しい杖を握っている妖艶な女性だった。
彼女は挑発的な目をして、紫の唇をペロリとなめた。
「これだけの力を持ちながら、この様な武人の誇りを捨てた外道の下とはな……魔王……」
「なんだ、と」
ツキツバさんの言葉に耳を疑った。
立ち上がったセイン様も動揺していた。
「リサ、その姿は?」
「驚いたかしら。そう、私が魔王なの」
彼女はセイン様に歩み寄り、そっと顎先に指を添える。
「私があなたに全てを与えてあげる。世界を統べる王にしてあげるわ。そうなれば魔王を従える偉大なる勇者として歴史に名が刻まれるでしょうね」
「僕が、魔王を従える……」
「歴史的快挙よ。全ての人間が賞賛するわ」
彼女からの答えはもちろん『NO』―――
「くひ、いいね。僕はそういうのを待っていたんだ」
セイン様の顔が喜びで染まる。
だが、それは欲望に飢えた者の醜い笑み。
なぜだ……なぜNOを突き付け、最終決戦の幕を開かない!?
「だ……そうだ……あの様子じゃ、ツキツバとフラウは一目視ただけで直ぐ見抜いた様だがな?」
「NOおぉーーーーー!NOおぉーーーーー!NOおぉーーーーー!」
そうだ!これは夢だ!
そして……僕は自分の顔を殴り、そのまま―――
月鍔ギンコperspective
「セツナ殿……ノノ殿にセイン……もとい!そこの屑女を見せたくなかったのは、このためか!?」
某の質問に対し、セツナ殿は残念そうに顔を下に向けました。
「いや……私が気づいていたのは、セインがウンコクズなだけだ。まさか、魔王がヒューマンに化けてセインの仲間を騙っていたとは……」
某は……再び気絶したノノ殿を見ました。
「……なら、まだ間に合うな」
「間に合う?」
そして、
「魔王とやら!……これまで戦ってきたあやかし達は皆
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